本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。
SENSEXは最高値圏で振れの大きい展開
■インド株式市場は、最高値圏で振れの大きい展開になっています。代表的な株価指数のSENSEX指数は、米中通商交渉の第1段階での合意を受けて、1月14日に引け値ベースで史上最高値を更新しました。しかし、中国で発生した新型肺炎の感染拡大への警戒が広がったことから下落に転じました。さらに2月1日に発表された2020/21年度の政府予算案が市場の期待に届かなかったことから急落したものの、中国当局の資金供給などで中国株が下げ止まると、新型肺炎の世界経済への影響が短期間にとどまるとの見方などから買戻しが入り、急反発しました。
インド準備銀行は政策金利を据え置き
■インド準備銀行(RBI)は2月6日の金融政策決定会合で、市場の予想通り、政策金利を5.15%に据え置きました。12月の消費者物価上昇率が7.35%になるなど、足元のインフレ率が大幅に上昇しているため、2会合連続の据え置きとなりました。RBIは20/21年度上期の消費者物価上昇率を5.0~5.4%と、前回の3.8~4.0%から大きく上方修正しましたが、緩和的な政策スタンスを維持しました。弊社は、野菜価格の高騰がピークアウトすると見込まれるため、RBIが先行き追加利下げを実施すると予想しています。
高値圏でもみあいが続く
■アジアでは特に新型肺炎の影響が懸念されるものの、インド株式市場は域内で消去法的に選択される可能性があるほか、RBIの金融緩和期待も残るため、当面底堅い展開が見込まれます。一方で、企業業績見通しには改善傾向がみられず、実質的な株価バリュエーションに割安感がないことが上値を抑えそうです。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『インド株式市場、振れの大きい展開…2020年2月前半』を参照)。
(2020年2月7日)
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