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Friday, February 21, 2020

新型肺炎対応に募る人民の不満、習近平政権への打撃は想像以上に大きい - ダイヤモンド・オンライン

新型肺炎クライシス
Photo:Barcroft Media/gettyimages

地方政府は病気よりも
政治日程を優先

 新型コロナウイルスCOVID19(新型肺炎)は、中国各地から日本、タイ、シンガポール、そして世界各地へと広がりを見せた。しばしば、20年弱前のSARS(重症急性呼吸器症候群)と比較されるが、中国での状況や中国政府の対応には幾つもの相違点があった。

 第一に、中国の科学技術の向上である。そのために、SARSのときにはできなかったウイルスの特定がなされ、現在ワクチンの開発が急がれている。第二に、中国の高速交通網の発達による感染の拡大とその速さである。第三に、中国の人々の経済力が向上し、国内移動だけでなく、飛行機などで海外へもすぐに移動できるようになったことである。第四に、中国政府の対応力が上がっていることで、武漢市から外に移動した市民の移動先などを当局は把握していたという。

 昨年12月中旬から下旬にかけて病気はすでに武漢市と湖北省で拡大していた。初期的な対応として、武漢市や湖北省の政府は極力この問題を大きくさせようとしなかったようだ。背景の一つには、1月6日に武漢市の人民代表大会が開催されることになっていたこともあろう。実際、この会議期間中、すなわち1月10日までの間、感染者数などは発表されなかった。そして会議終了後に感染者数が発表され始め、その数は激増していったのである。これは、政治日程が病気よりも優先されたということでもある。

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