「(佐々木が)関西弁は怖いと言っているらしいから、標準語を使おうかな」
さる1月30日、ロッテの吉井投手コーチが石垣空港に到着した際、ドラフト1位の佐々木朗希(大船渡)についてこんな発言をしていたと「スポニチ」が報じて話題になった。
関西・和歌山出身の吉井コーチに対し、佐々木は東北・岩手出身。関西弁はしゃべりのテンポが速く、漫才でいうツッコミで「アホ」「どついたろか」などと言うのは日常茶飯事。特に東日本の人間からすると、「言葉がきつい」「怒っているみたい」との印象を抱くことが少なくない。
■大谷翔平は例外
セ・リーグ球団のスカウトが言う。
「これが、案外、バカにはできない。実は、関西弁が怖いと言ってつい尻込みして、コミュニケーションをうまく取れないという新人選手が意外に多いんです。特に、東北地方出身の選手は、おっとりして控えめなタイプが多い。関西出身の選手とは言葉や行動のリズム、テンポも違う。例外は大谷翔平(エンゼルス)でしょう。佐々木と同じ岩手出身ながら、U18日本代表に参加したときなど、チームメートに藤浪(阪神)、田村(ロッテ)ら関西出身者が多くいて、ワイワイ騒いでいる中にスッと入っていき、輪の中でケラケラ笑っていた。大谷は積極性、協調性があったのでしょうが、うちの球団でも新人として迎えるキャンプに関しては、教育係や宿舎で同部屋になる選手を同郷出身者にし、練習中も一緒に行動できるように促したり、チームに溶け込みやすくしたりするケースはあります」
■自ら教育係について質問
球団も佐々木に対して配慮をしていた。新人合同自主トレ期間中に、同じ寮生である青森出身の高卒4年目右腕・種市篤暉(21)を引き合わせ、種市に佐々木の“教育係”をお願いしていた。球界OBが言う。
「佐々木も比較的控えめな性格だと聞いている。昨年の高校日本代表のU18の際も、最初の合宿から奥川(星稜→ヤクルト=石川県)や宮城(興南→オリックス=沖縄県)に加え、飯塚(習志野→早大進学予定=千葉県)といった関西圏出身ではない選手と一緒にいることが多かった。自身がロッテ寮に入寮するときには関係者に、佐々木の方から『ボクの教育係は誰になるんですか?』と尋ねたそうだ。人間関係を気にしていた部分もあったのだろう。それで、関西弁恐怖症を心配する関係者がいたのは確かだ」
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