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Saturday, July 11, 2020

家でつい業務用ウイスキー コロナで増える酒量の恐怖|ヘルスUP|NIKKEI - 日本経済新聞

日経Gooday(グッデイ)

新型コロナウイルス感染症の対策として、「外出自粛」に取り組んだ人も多いだろう。家にいる時間が長くなった結果、酒を飲む量が増えるのは、世界的に共通する傾向だという。このままでは私たちの健康に甚大な被害を及ぼしかねない。そこで、飲酒と健康についての研究を手がける筑波大学准教授の吉本尚さんに、コロナ禍で酒量が増えてしまった人の抱える問題について話を聞いた。

買ってしまった…「業務用」ウイスキー

5リットルの業務用ウイスキーを買ってしまった…。

いつもなら、そんな大容量の酒は買わない。大容量の酒が身近にあると、つい飲み過ぎてしまうので「買わない」と心に決めていた。

しかし緊急事態宣言の後、「買い物は3日に一度に」という都知事の声明が出たこともあり、近所のスーパーに頻繁には行けなくなった。週末に入場制限をする店もあるし、さらにはまとめ買いの人が多いのか、お気に入りの酒が品薄だったりする。

言い訳にしか聞こえないかもしれないが、そんな事情もあって、ネットで業務用のウイスキーに手を出してしまったのだ。そして案の定、酒量が増えてしまった…。

だがコロナ禍で酒量が増えているのは私だけではない。私の周囲の酒好きに聞いてみると、こんな声が返ってきた。

「仕事が終わったら移動せずにすぐ飲めるし、終電を気にしなくてすむ」

「テレワークだと早起きしなくていいから、ダラダラ遅くまで飲んでしまう」

「旅行にも行けず、その分、ぜいたくなテークアウト料理や酒を買ってしまう」

「飲むことしか楽しみがない」

読者の方から「ああ、分かる」という声が今にも聞こえてきそう。これは日本だけではなく、世界的にも言えるようで、在宅勤務をしている全米3000人を対象としたAlcohol.orgの調査で、コロナ禍で「酒量が増える」と答えた人は35%もいることが分かった。また、「在宅勤務中に酒を飲む」と答えた人は3分の1にも上る。

勤務中に酒なんて… と思ったが、そりゃ監視の目がないわけだし、「ランチのついでに軽くビールを一杯♪」なんてこともできる。

それでなくてもコロナ禍でさまざまなストレスが心身にかかっているのだから、酒を飲みたくなるのも当然… かもしれない。

だが、そんなことではアルコールの弊害がカラダのあちこちに表れ、エライことになってしまう。そう、このままではいけない。5リットルのウイスキーを買ってる場合ではないのだ。

アフター・コロナでもテレワークは推奨されているのだから、大幅に増えた酒量を見直さなくては。ここはやはり専門家のアドバイスをいただき、きちんと自分の酒量と向き合おうではないか。

そこで、当コラムにもかつて登場された、筑波大学地域総合診療医学の准教授で、北茨城市民病院附属家庭医療センターのアルコール低減外来で診療もされている吉本尚さんに話を聞いた。

依存症患者が再び飲み始める「コロナ・スリップ」

まず吉本さんに聞いたのは、先生の診療所に通う方などから、「酒量が増えている」という話を実際に耳にしているかどうかだ。

「酒量が増えているという話は、あちこちから耳に入ってきます。今、懸念しているのは、アルコール依存症で断酒していた方がコロナ禍で再びお酒を飲み始めてしまう、『コロナ・スリップ』です。“3密”(密閉・密集・密接)の観点から自助グループの集いができなくなっていることが大きな要因です」(吉本さん)

アルコール依存症の場合、同じ病を抱える人とのコミュニケーションが「再飲酒の大きな抑止力」になっていたはず。人とリアルに会って話ができないことは、アルコール依存症を抱える方々にとって、大きな影響を及ぼしているようだ。オンラインで集まるにしても、Wi-Fiやパソコンなど環境が整っていない方も少なくない。

「診療所に通われているのは『ここに来なくなると、お酒の量が増えちゃうかも…』という方。コロナの影響が東京ほど深刻な地域ではないので、多くの方が通院を続けています。ただ通院間隔が2カ月に1回など少し長くなったり、県外の方は電話などのオンライン診療になったりしていますね」(吉本さん)

吉本さんは、コロナ禍における酒量の増加をどう見ているのだろうか?

「感染症の大規模流行は、『災害』の一つです。これまで会社に通勤していたのがテレワークになり、子どもや家族が毎日家にいたり、と環境が激変しました。コロナがきっかけで休職あるいは失職し、精神的に大きなダメージを受けた人もいます。ストレスを抱え、その解消法としてお酒を選んでしまう人が多いのでしょう。また通勤時間がないことで時間に余裕ができ、外部の監視の目がないというのも酒量が増える原因になります」(吉本さん)

さらに「ジムやヨガスタジオ、マッサージやエステなどが閉鎖され、ストレス解消ツールの選択肢が少ないのも酒量を増加させる一因」と吉本さんは付け加えた。

「この変化にすぐ順応できる方は心配ないのですが、そうではない方は、何とかしてこの不安を忘れたい、ストレスを解消させたいという思いから、ついお酒に走ってしまうことも。また“ステイ・ホーム”が続くと生活にメリハリがなくなるため、お酒を飲むことで一区切りつけようとする人も多いようです」(吉本さん)

ストレスを緩和させるために酔っても、根本的な問題の解決にはならないし、現実は変わらない。頭では理解していても、つい飲んでしまう…。酒量の増え方は、その人にとってのストレス指数を表しているのかもしれない。

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