家畜盗難を防ぐため、パトロールを行うJA前橋市の職員(左)(前橋市で)
東京税関や動物検疫所の記録を調べたところ、生きた豚の輸出は1年以上も前から止まっていた。国内での豚熱発生を受け、各国が防疫上の規制を敷いたためだ。一方、盗難発覚直前の5月下旬、東南アジアの一部の国で生きた豚の輸入が解禁されていたが、日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査では、日本からの輸入実績はなかった。
豚肉や原皮も、輸入を認めているのは香港やシンガポール、ベトナム、タイなどと限られ、ワクチンを接種した豚を受け入れていない施設での処理などを条件にしている。家畜盗難があった群馬、栃木、茨城、埼玉の4県はワクチン接種しており、正規ルートで盗まれた豚肉が国外へ持ち出された可能性は消えた。
半径10キロに集中
「どんな事情があろうと、農家が手塩にかけて育てた家畜の盗難を許すわけにはいかない。ましてや、不特定多数の人間が農場に出入りするなどとんでもない」。群馬県畜産協会(前橋市)の糸井浩専務が言う。脳裏をよぎるのは、2010年に宮崎県で発生した口蹄疫(こうていえき)だ。牛豚を中心に計29万頭が殺処分された。畜産農家は塗炭の苦しみを味わい、県内経済の被害額は2000億円を超えた。
群馬は豚の飼育数が63万頭と、鹿児島、宮崎に次ぐ全国3位の養豚県だ。その多くが赤城山の南側山麓半径10キロ以内に集まる。「一つの養豚場に疫病が持ち込まれれば周辺の農場へ広がりかねず、同一犯であれば、広域に拡散するリスクが高まる」。日本養豚協会(東京)のメンバーが“真の恐怖”を口にした。宮崎など全国各県で家畜盗難への警戒が始まった。
被害統計なし
農畜産物の盗難被害は統計がなく、これまで国は農家被害の全体像を把握してこなかった。警察庁も都道府県警に農家の窃盗被害についての集計を指示していない。
農水省は広域盗難を受け、初めて、全都道府県の畜産部署に被害の詳細を把握し、警察との連携強化を求めた。同省畜産企画課によると、課長名による通知は8月31日付で、同省への報告は求めていないが、既に被害情報が集まり始めている。担当者は「畜産振興を図る国にとっても由々しき事態」だと語った。
担い手の声を代弁し、全国農協青年組織協議会(JA全青協)の柿嶌洋一副会長が言う。「仲間の被害を知るたび人ごとではないと思う。農家や地域の自衛は必要だが、犯人は複数で刃物も持っており、対応には限界がある。政府や警察は今起きている問題の深刻さを理解してほしい」
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September 26, 2020 at 05:08AM
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全国を覆う “真の恐怖” [家畜はどこへ 広域盗難を追う](下) - 日本農業新聞
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