男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗(26=NTT東日本)が3連覇を達成した。1月に遠征先のマレーシアで巻き込まれた交通事故による大けがから、鮮やかに蘇った。女子シングルスの奥原希望(25=太陽ホールディングス)は山口茜(23=再春館製薬所)との熱戦を制して2連覇。女子ダブルスは福島由紀(27)広田彩花組(26=丸杉Bluvic)が優勝した。渡辺勇大(23=日本ユニシス)は2年連続で男子と混合のダブルス2冠を獲得した。

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最後は必死で追いすがる山口を振り切った。3度目のマッチポイントで、奥原はスマッシュをネットにかけながら押し込んだ。「世界のトップレベルのプレーで、茜ちゃんに勝てた優勝は大きい」。世界に誇る守備とフットワークで18年決勝のリベンジに成功した。

奥原らしい逆転勝ちだった。第3ゲームの序盤で2-8と最大6点差とされた。しかし「1球1球、大切にプレー。最後まで足を出せた」と諦めずに、じわじわと点差を縮めた。10-13から4点連取で抜き去ると、接戦ながら1度も相手にリードを許さなかった。

コロナ禍は、武器のフットワークを鍛えるのに格好の期間だった。左手につけた指輪型の最新機器で体調を管理。攻撃されてもぶれない体幹と足腰でミスを減らすことに成功した。昨季は6度の決勝進出ながら無冠に終わった世界ツアーで、今季は10月のデンマークオープンに優勝。その勢いを今大会にもつなげた。