7月に開幕する東京五輪・パラリンピックは20日、海外からの観客なしで開催されることが正式に決定した。訪日外国人客に人気の観光地やホテルの関係者からは「売り上げへの影響は大きい」と落胆する声が広がる。一方で、コロナ禍の中で迎える前例なき五輪開催に「今できることをやるしかない」と、前向きな声も上がった。
「外国の方が来ないのは大打撃。五輪に向けて仕入れた外国人向けの大きいサイズのTシャツなど在庫が全く減らない」。東京・浅草の仲見世商店街にある物販店の女性(76)は肩を落とす。
20日午後、雷門周辺は多くの日本人観光客でにぎわっていた。だが、外国人の姿はほとんど見られない。女性によると、人出は少しずつ戻ってきているが、買い物客は少ないという。女性は「うちだけでなく、社員やパートを解雇したお店はたくさんある」と明かす。「外国のコロナの現状を見れば海外からの観客ゼロは理解できるが、店の経営はかなり厳しい。行政には補償をしっかりと考えてもらいたい」と訴えた。
人力車「福ろう屋」の佐藤務代表(39)は「残念だが、外国人受け入れが難しいのは分かっていたことだ」とした上で、「お客さんは外国人だけではない。オンラインでの人力車体験など、コロナ収束後を見越して次につながることを進めていきたい」と前を向いた。
東京からの経済波及効果を期待した大阪からもがっかりした声が。大阪市浪速区の新世界で、観光名所の通天閣を運営する「通天閣観光」の高井隆光社長(46)は「今回の東京五輪・パラリンピックを、需要回復のきっかけになればと期待していただけに大変残念だ」と肩を落とした。
コロナで苦しむホテル業界もさらに打撃となる。昨年都内に開業したホテルの担当者は、「年始に緊急事態宣言が出た時点であまり期待してはいなかった」とあきらめ顔だ。開業当初は、五輪開催の観光客で良いスタートを切れると期待していたが、この1年間外国人客はほぼゼロだという。担当者は「国内の方に満足していただけるサービスを心掛けていくしかない」と力を込めた。
神奈川県鎌倉市に昨年開業したホテルの男性従業員も「淡い期待だった。五輪以外でも外国人観光客が入ってくるのには相当な時間がかかりそうだ」と落胆する。男性従業員は「誰のせいでもないので、感染拡大前のように自由な往来ができるようになるまで、耐えるしかない」と話した。
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