2021年11月05日07時06分
心神喪失を理由に一審判決で無罪が言い渡される被告は年に数人いるが、複数の人が殺害された重大事件では異例だ。控訴審で結果が覆されるケースもあり、刑事責任能力の判断の難しさを示している。
最高裁によると、昨年1年間に全国の地裁の一審判決で、心神喪失で無罪になった被告は5人。年数人程度が続いており、過去5年では計24人にとどまる。起訴されないケースが多く、法務省の犯罪白書によると、2019年は427人(道交法違反などを除く)が心神喪失を理由に不起訴になった。
茨城県土浦市で両親と姉を殺害したとして殺人罪に問われた男性被告について、一審水戸地裁土浦支部は08年、統合失調症による心神喪失を認め、無罪を言い渡した。これに対し、二審東京高裁は心神耗弱にとどまると判断し無期懲役を言い渡し、判決が確定した。
一方、裁判員裁判による死刑判決が、控訴審で覆されるケースも相次ぐ。埼玉県熊谷市で女児2人を含む6人が殺害された事件では、一審さいたま地裁が18年、ペルー人被告に死刑を言い渡したが、二審東京高裁は心神耗弱だったとして無期懲役に減軽し、確定した。
重大事件ほど被害者や遺族の処罰感情は厳しく、裁判員も難しい判断を迫られる。精神鑑定の経験が豊富な聖マリアンナ医科大の安藤久美子准教授(神経精神科学)は「精神障害を正確に理解するのは難しく、責任能力の判断は裁判員に大きな負担になっている」と指摘している。
刑事責任能力について、刑法は精神障害により善悪を判断して行動を制御する能力が失われた「心神喪失者」の行為は罰しないと規定。著しく低下した「心神耗弱者」は刑を軽くすると定めている。 ![]()
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