14日の米株式市場でS&P500種株価指数は3営業日続落。一時は1%以上値上がりしていた。最新の地政学的情勢を見極めようと、金融市場はこの日も激しいボラティリティー(変動性)に見舞われた。原油相場は一時100ドルを割り込み、米10年債利回りは2019年以来の水準に達した。
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朝方は停戦交渉に対する期待で株式は上昇したが、午後に入ると失速。S&P500種はテクニカル分析で一段安の可能性を示す「デスクロス(死の十字架)」を形成した。大型ハイテク株で構成するナスダック100指数は、高値からの下げが20%を超え、2020年3月以来約2年ぶりの弱気相場入りとなった。ロックダウン(都市封鎖)を敷かれた中国深圳でサプライヤーが操業を停止したことから、 アップル株は下落。アリババグループグループや百度(バイドゥ)などで構成するナ スダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数は12%下げた。
S&P500種は前営業日比0.7%下げて4173.11。ダウ工業株30種平均は1.05ドル(0.01%未満)上昇の32945.24ドル。ナスダック総合指数は2%下落。
株式相場の下落にもかかわらず、米国債市場では利回りが上昇を続けた。市場の関心は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に移り、すでに短期物では利上げプレミアムが鮮明になっている。投資適格級の社債発行が相次ぐことも、米国債の売り浴びせにつながったとみられている。
ニューヨーク時間午後4時15分現在、10年債利回りは15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.14%。
外国為替市場では円が6営業日連続で下落し、5年ぶりの安値。ウクライナとロシアの交渉を背景に欧州通貨は堅調。米株式相場が下落に転じたことをきっかけに、ドル指数はプラス圏に浮上した。
ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジストのショーン・キャロー氏は、「FOMCはほぼ確実に今週利上げを開始し、その後少なくとも3会合連続で利上げを行うだろう」と予想。一方の日銀は10年債利回りの目標を0%で維持するはずで、この金利差が円売りの強い動機となっており、投機筋は対円でのドル・ロングにかなり傾いていると指摘した。
ニューヨーク時間午後4時15分現在の主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は、前営業日比0.2%上昇。ドルは対円で0.8%高い1ドル=118円21銭。ユーロは対ドルで0.3%上昇し1ユーロ=1.0946ドル。
ニューヨーク原油先物相場は大幅反落。ウクライナとロシアはこれまでより内容のある交渉をしているとの見方が広がった。中国が新型コロナウイルスの感染抑制策として、ロックダウン(都市封鎖)の範囲を拡大したことも材料となった。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物4月限は、前営業日比6.32ドル(5.8%)安い1バレル=103.01ドルで終了。一時は3月1日以来となる100ドル割れの場面もあった。ロンドンICEの北海ブレント5月限は5.77ドル下げて106.90ドル。
ニューヨーク金先物相場は続落。15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、世界的に国債利回りが上昇した。供給懸念が和らいだパラジウムは一時17%下げる場面もあった。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は、前営業日比1.2%安の1オンス=1960.80ドルで終了。
原題: Stocks Drop as Nasdaq 100 Down Over 20% From Peak: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries Tumble Despite Stock Slide as Rate Hike Premium Jumps(抜粋)
Yen Extends Slide While European FX Rebounds: Inside G-10(抜粋)
Oil Retreats on Ukraine-Russia Talks, China Lockdown Resurgence(抜粋)
Gold Falls for a Second Day as Bond Yields Climb on Global Rout(抜粋)
からの記事と詳細 ( 【米国市況】株下落、ナスダック100弱気相場入り-振れ幅大きい展開 - ブルームバーグ )
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