適応障害による皇后さまの療養生活は、12月で16年になった。医師団は療養生活が続く中、多くの公務に取り組まれたことを「工夫を重ねながら体調を整えるなど、皇后さまの努力によるところが大きい」とみている。さらに「活動を着実に積み重ねることが自信となり、活動の幅の広がりにつながっている。加えて、直接触れ合う方々からの温かい声や反応に元気づけられているように見える」との見解を示した。一方、昨年同様に「回復の途上で、体調に波がある。疲れがしばらく残ることもある」との指摘もあった。

5月の代替わり以降は公務を着実にこなし、明るい表情も目立った。回復途上の現状を、側近は「天皇陛下と愛子さまの存在が大きい」と明かした。療養生活が始まったのは03年12月。04年5月の会見で陛下は、元外交官のキャリアを生かした国際親善のための外国訪問がかなわない皇后さまの立場を思いやり、かばったことがあった。愛子さまの成長も回復を後押しする。側近は皇后さまと愛子さまについて「とても仲が良い」と明かす。宮内庁幹部は「無理をせず1歩1歩、公務をこなしていってくだされば」と期待を込めた。(共同)