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Tuesday, February 18, 2020

「見えない恐怖」「初期対応に問題」「検証が必要」 クルーズ船乗客、不安抱え下船へ - 毎日新聞 - 毎日新聞

停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」(奥)=横浜市鶴見区の大黒ふ頭で2020年2月18日、中村琢磨撮影

 新型コロナウイルスの集団感染が確認された横浜港停泊のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」(乗員乗客3711人)で、厚生労働省は19日から、ウイルス検査が陰性で症状がない乗客の下船を始める。停泊が始まった今月3日から2週間以上。船内には3100人以上が残っているとみられ、“閉鎖空間”で神経をすり減らした乗客らは、下船してようやく日常生活に戻ることになる。

 「私も感染しているかもしれない。(下船しても)家族にうつしてしまわないだろうか」。神戸市の女性乗客(67)は18日、後日に迫った下船案内の船内アナウンスを聞きながら、電話での取材に対し、不安を隠さなかった。夫婦ですでに検査を受けているが、女性は「陰性と判定されても実際は感染しているのかもしれない。見えない恐怖感というか、マイナス方向に考えてしまう」と話す。

 乗客は心理的には過酷な状況に置かれていた。外の空気を吸えるデッキは許可があれば出られるが、他人とは2メートル以上空けなければならない。手すりも触らないよう注意し、船内移動にはとにかく気を使う。女性は18日朝、3日ぶりにデッキへの外出が許可されたが、船内で新たに99人感染というニュースをスマートフォンで見て室外に出るのをやめた。

 大型客船ゆえ、乗客らの基本的な衣食住の設備は整っているという。ベッドのシーツや部屋の掃除道具は届くようになった。

 だが、女性の脳裏には「感染」の2文字がいつも浮かんでしまう。船内では共用の洗濯機が使えるものの、他人の衣服と交わる恐れがある。自室の乾燥防止のためもあり、朝昼に夫婦で衣服を手洗いして部屋干しするなど、衛生面では最大限気を使っていたという。

 同じく夫婦で乗船していた同市北区の林栄太郎さん(79)は、「初期対応に問題があったのではないか」と指摘する。問題視しているのは、当初下船できる予定となっていた4日の感染対策が不十分だった点だ。

 林さんによると、感染者がいる可能性があることが分かっていながら、大人数を収容できる船内のシアターに乗客が集まり、レストランも出入りは自由。くしゃみをしている人も見かけたという。

 それから10日以上経過してから、感染が発覚する乗客が急増した。「潜伏期間から考えると、4日に感染が広がった可能性はあると思う。船会社としては私たちを満足させるために善意でやってくれたのだろう。国が対応策を細かく指導すべきだった」と話した。

 約1000人とされている乗員も、異常事態の中で続く業務に疲弊している。インド人の乗員らが「船内に閉じ込められ、生きて帰れるか分からない」と訴え、下船を求めたことが米紙で報じられた。

 船内で娘が働いているという50代の女性は、休憩時間や仕事の後に娘と連絡を取っている。停泊が始まったころは乗客対応で働きづめだったが、自衛隊などが派遣されてからは休憩も取れるようになったという。女性の娘は当初、37度2分の熱が続いたのに、乗客優先のため、乗員は37度5分以上でないと医務室で診察してもらえなかった。娘は「発熱などで船内で隔離されたクルーは70~80人いる。その人たちは配膳を自室の外に置くが、その数の多さに驚いた」と話したという。

 母親は「乗客優先で乗員の健康まで万全を期せなかったのではないか。検証が必要だ」と話し、「乗客も乗員も待っている家族がいる」と、早期の下船を心待ちにしている。【二村祐士朗、大久保昂】

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February 19, 2020 at 06:52AM
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