2020年02月25日13時16分
【北京AFP=時事】中国四川省成都で働くシャオ・ヤオさん(27)は、いつどこで新型コロナウイルスに感染したのか分かっていないという。(写真は中国中部・湖北省荊州市で、新型コロナウイルスへの感染が確認された後、病院で治療を受けるシャオ・ヤオさん。シャオ・ヤオさん自身が撮影)
シャオさんは、子(ね)年を迎える春節(旧正月)を祝うため、同国中部・湖北省荊州市へと帰省していた列車の中で感染したのではないかとみている。
時計の針が1月25日の午前0時を刻む頃、何かがおかしいと気付いた。シャオさんはAFPの取材に対し、「体がとても温かくなるのを突然感じ始め、パニックに陥り始めた」と語った。
当時荊州市の友人宅にいたシャオさんは、何をすべきか分からなかった。
ウイルスの流行中心地となっている武漢近郊で暮らす友人からは、国中に拡大するウイルスに関する恐ろしい話を耳にしていた。
「病院に行くべきではないと感じた。まだ感染していないとしたら、病気になってしまうからだ」
シャオさんは、友人宅にいる小さな子どもやその高齢の両親を守るため、そこから離れるべきだということも分かっていた。
だがその頃までには、武漢や湖北省の他の地域が隔離状態に置かれ、数百万もの人々の移動が制限されていた。
別の町にある実家へと帰ることができなくなり、シャオさんは近くのホテルにチェックインした。ここで長い試練の時が始まった。
■コウモリの幻覚も
シャオさんは一人で、ホテルに1週間近く滞在。近所の店はすべて閉まっていたため、インスタント麺だけを食べて過ごした。
解熱に効く薬を飲み、オンライン上で診察を受けると、医師からは、上気道感染症を患っている可能性があると言われた。
「非常に動揺してしまった」というシャオさんは、「政府からの支援を受けるために警察を呼ぶべきか考えた」という。だが新型コロナウイルスによる感染症「COVID-19」なのか確信が持てず、断念した。
夜になると、部屋の中を物体が飛び回る幻覚を見るようになったとシャオさんは話す。ある朝には、動物学の科学者らがウイルスの発生源の可能性があるとみているコウモリが1匹、部屋の中に入ってきたのに気付いたという。
そうするうちにホテルも政府によって閉鎖され、シャオさんは友人の家に戻らなければならなくなった。この頃には深刻なせきの症状が出ており、友人も熱を出していた。そうして二人は工場を改修した仮設病院へ向かうことに決めた。
病院でシャオさんは、各種の点滴を受け、抗ウイルス薬や同国の伝統薬を処方される。
2月4日、シャオさんが長らく恐れていた知らせを受けた。新型コロナウイルスへの感染がついに確認されたのだった。
仮設病院の環境は最低限のものにとどまる。当初は個室だったが、病院がより混雑したため「ルームメイト」がやって来た。
シャオさんは、「20日以上風呂に入っていなかった」「タオルすら持っていなかった」と当時を振り返る。
「食べ物からは消毒剤の匂いがして、吐き気がした」「だが武漢の友人たちのことを考えた。彼らは皆、入院するために苦労していた。私はこれ以上文句を言えない」
■悪質デマの標的に
シャオさんはさらに、友人が暮らす町で悪意あるうわさの標的となった。
「私が突然変異を起こした、すでに荼毘(だび)に付された、町で感染を広めるために友人がわざと私を招待した、私の両親が(ウイルスの発生源とみられる武漢の)市場で働いていた――。本当にいろいろなタイプのうわさだ」
「診断された際、精神的に最も追い詰められた。友人には申し訳ない気持ちだった」
シャオさんは19日、ついに退院し、政府が提供した隔離場所に移された。
シャオさんは、新型コロナウイルス感染から回復した人の細胞を用いた実験的な治療のため、自分自身の血漿(けっしょう)を提供するつもりだ。また流行が終わったら、成都にあるメディア企業を退職し、両親の近くにいられるよう実家がある省で暮らしたいと考えている。
「もう二度とそこでさまよい続けるような羽目にはなりたくない」【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕
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February 25, 2020 at 11:16AM
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