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Sunday, April 19, 2020

DEEN池森 ヒット曲連発も恐怖と戸惑いの日々だった(道新スポーツ) - Yahoo!ニュース

道スポ企画【逆境を乗り越えよう】5

 「このまま君だけを奪い去りたい」「瞳そらさないで」。大ヒット曲を次々と世に送り出してきたロックバンド「DEEN」。音楽業界が隆盛を極めた1990年代にデビューし、今もなお活躍を続ける。猛スピードでヒットチャートを駆け抜けるDEENにあって、ボーカルの池森秀一(50、北海道岩内町出身)は常に自らが置かれた状況に恐怖と戸惑いを感じていたという。特別企画「逆境を乗り越えよう」の第5回は一世を風靡(ふうび)した道産子ボーカリスト。(聞き手・神馬崇司)

スカウトされ「明日からDEENだ」

 18歳で岩内を飛び出した。セミプロとして「ススキノ」で日々、美声を響かせていた池森。デビューの機会は突然、訪れた。知人を介して歌声を聞いた敏腕プロデューサーから声が掛かった。上京し、何も聞かされないまま、ある曲を歌わされた。DEENのデビュー曲であり、ミリオンヒットを記録した「このまま君だけを奪い去りたい」だった。

 「曲は決まっていた。あとは誰に歌わせようかと。その中の一人がボクだった。そしていきなり『明日からDEENだ』と。曲と詩のイメージにボクの声がぴったりだったとのことでした」

 DEENは群雄割拠の音楽業界でいきなりトップ集団に加わった。リリースする曲が次々と大ヒット。23歳だった池森は恐怖と戸惑いを覚えた。

 「ボクは鈍行列車に乗っていた。急行どころか新幹線の勢いでDEENが走りだした。どうやってDEENに追いつこうか。そればかりを考えていた。デビューから約2年して初めて生のステージに立った。歌い出すと会場がどよめいた。自分の声、演奏が聞こえなくなった。緊張とプレッシャー。あきらかに自分のキャパを超えていた」

 それでもファンは、時代は待ってはくれない。

 「オリジナル曲でお客さんを喜ばせるプロセスをアマチュア時代に経験していない。メンバーともデビューと同時に初めまして。すべてが手探りでした。作品作りとコンサートを繰り返し、何とかDEENに追いつこうとやってきた。何事も経験でしか埋めることはできない。試行錯誤の連続でした」

 ただ、努力を続けたという実感はないという。そこに苦境を乗り越えるヒントが隠されている。

 「好きなこと。やりたいことを突き詰めていった結果。夢や目標に向かっている人間は先々のビジョンしか見ていない。自分は99%が運の人間。出会いに恵まれました。でも、とにかく夢をかなえたいと思い続けた。そういう気持ちが良いモノを引き寄せることもある。そもそも人生に楽なことはない。そう思えれば、乗り越えられないことなんてない」

 今、世界中が新型コロナウイルスの大流行という未曽有の事態に直面している。

 「人類初めての経験。不要不急の外出を控えたり、事態を軽んじないことは大前提。でも長く続くことじゃないと信じ、みんなで辛抱していきたい。そういう思いをシェアできれば、少しでも心が豊かになる」

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