【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)が新型コロナウイルス禍からの経済再生を目指す復興基金案を巡り、合意に向けた不透明感が強まっている。交渉で存在感を示してきたユーロ圏財務相会合議長が9日、退任を表明した。基金は規模のほか、融資か補助金かという支援方法で議論が割れている。重要ポストの人事も絡み、合意への道筋は見えていない。
ユーロ圏財務相会合の議長であるセンテーノ氏は9日、ポルトガル財務相を辞任するとともに、同議長職も退くと明らかにした。議長の任期は2年半で、任期が満了する7月半ばに退任する。同ポストは2005年に創設され、初代議長は8年、2代目は5年務めてきた。3代目のセンテーノ氏は1期で退く。
欧州メディアでは、早速スペインやルクセンブルク、アイルランドの財務相らの名前が後任候補として挙がる。EU各国の財政面での協調を支える重要ポストで、復興基金の議論での影響力も大きい。既に水面下で駆け引きが始まっている。
後任議長を決める投票は7月9日に予定される。新型コロナの被害が大きい南欧諸国は考えが近いスペインのカルビニョ副首相兼経済相を推すとみられる。財政規律を重視する北部欧州も候補者擁立を模索しているとされ、どの地域から誰を選ぶかは、復興基金の議論の行方を左右する。
欧州委員会は5月下旬、新型コロナで落ち込んだ経済の早期回復に向けて7500億ユーロ(約92兆円)規模の復興基金案を提示した。案によると、欧州委が全額を市場から調達する。5千億ユーロを返済不要の補助金、残りを返済が必要な融資の形で支援する。EUの中核である仏独や、被害の大きい南欧はこの案を支持する。一方、財政規律を重視する「倹約4カ国」(オランダ、オーストリア、デンマーク、スウェーデン)は反対する。
「提案はオランダの努力とかけ離れている点がある」。オランダのフクストラ財務相は9日、議会に宛てた書簡で力説した。南欧などと意見の違いで大きいのは「債務の共通化」だ。欧州委が債券を発行して資金を調達すると、その借金はEU全体で負うことにつながる。財政状況が良いオランダなどが事実上、南欧の借金を肩代わりすることを意味する。
それゆえ倹約4カ国は債務の共通化につながる措置は受け入れられないとの立場だ。加えて、支援はすべて融資で実施すべきだと訴える。返す必要のない補助金はモラルハザードを起こしかねず、明確な返済スケジュールが必要と主張する。ただ支援の大半が融資になると、南欧諸国の借金が増え、財政が悪化する。
今後、加盟国は議論を通じて打開点を探ることになる。EUは11日にユーロ圏財務相会合、19日に首脳によるテレビ会議を開くが、合意は難しいとの見方が支配的だ。合意は全会一致が必要。夏前の合意をめざし、7月に首脳会議を再び開くとの観測が出ている。
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June 10, 2020 at 03:57PM
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新型コロナ:EU復興基金、合意へ不透明感 財務相会合議長が退任 - 日本経済新聞
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