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Thursday, September 10, 2020

ハリウッドが恐怖したベストジャパンホラー映画6選 - Time Out Tokyo

日本映画界は世界的に見ると、象徴的で背筋が凍るようなホラー作品を制作することで確固たる評判を築いている。ジャパンホラーの特徴は、観客の悪夢をあおるためにCG技術に頼るのではなく、長く続く恐怖とより恐ろしい物語のためにサスペンスをじっくりと構築しているところにある。

ハリウッドはこれらの素晴らしい作品の多くをリメイクしたが、オリジナルの素材にはかなわなかった。今回は、そんなジャパンホラー映画の中でも特に優れた作品を紹介しよう。身震いするほど恐ろしくも心に残る作品を発見できるだろう。ただし、鑑賞は一晩に1本だけし、明かりをつけておくことをおすすめする。恐怖で眠れぬ夜を過ごしたくなければ。

1. 『仄暗い水の底から』

日本全土を恐怖のどん底にたたき落とした空前のヒット作『リング』シリーズの原作者、鈴木浩二の小説を元に映画『リング』を手がけた中田秀夫が再び監督を務めた不気味な作品。

シングルマザーの松原淑美(黒木瞳)は、5歳になる娘を一人で育てられることを離婚調停中の夫へ証明しようと、とあるマンションへ引っ越してくる。そこは天井に雨漏りのシミがあり、上階の子どもの足音がよく響くなど不具合の多い物件だった。住み始めると、次第に天井から濁った水がじくじくと漏れ始め、娘が目に見えない女の子と会話する奇行に走るようになる。そこには、数年前に行方不明になった少女の不穏な謎が潜んでいた。

物語の核となるのは母から子への愛でありながら、日本映画の中で最も怖い映画の一つである。

2. 『告白』

『嫌われ松子の一生』、『来る』など多くのヒット作を手がけた中島哲也による2010年の監督作品。復讐に取りつかれた中学校教師の複雑な計画が、一見無害に見える生徒への静かな告白から始まるストーリー主導のスリラーである。

森口悠子(松たか子)と生徒たちとの間で繰り広げられる凶悪な対決は、そのほとんどが心理的なものだが、その間には暴力的でおぞましいシーンがいくつもある。この物語で描かれる悪の存在は、想像の産物としての幽霊ではなく、誰もが一歩間違えれば引きずりこまれかねない具体的で現実的な行為と、ふとしたときの判断だ。

3. 『オーディション』

『オーディション』を知らない人は、日本映画界をけん引する監督、三池崇史が映画に盛り込むウルトラバイオレンスがクエンティン・タランティーノの作品をも超えると覚えておく必要があるだろう。2001年にトロント映画祭で上映された『殺し屋1』では、観客にエチケット袋を配っていたことでもその過激さをうかがい知ることができる。

しかし、本作の序盤は決して暴力的ではない。10代の息子に促されて新しい妻を探すことになった男やもめの青山重治(石橋凌)。青山は、映画制作と称したオーディションを開催し、その中から再婚相手を探し始める。そんなさなか、口下手な元バレリーナの山崎麻美(椎名英姫)と出会い魅了されていく。しかし青山は、彼女が求めるゆがんだ愛の形も、アパートに隠している謎の袋のことも知らないのだった。終盤に畳みかけるように繰り広げられる狂気に満ちた痛ましいシークエンスの数々は、サイコホラー好きなら奥歯の震えるような感動を覚えるだろう。

4. 『怪談』

『人間の條件』など骨太で激烈な名作をいくつも世に送り出した監督、小林正樹による1965年公開作品。「雪女」「耳無芳一」など日本の民間伝承にインスパイアされた四つの物語をつないだオムニバス映画だ。同作は、1965年のカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞し、アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた。

原作は、ギリシャ生まれの新聞記者パトリック・ラフカディオ・ハーン(日本では小泉八雲の名で知られる)が編纂(へんさん)
した不気味な伝統的民話を集めた『Kwaidan: Stories and Studies of Strange Things』である。現代ホラーに期待されるような音と映像の変化で驚かせるジャンプスケアな手法はほとんどないが、その不穏な雰囲気と不気味なセットデザインは、ジャパニーズホラー史の中でも最も評価の高い作品の一つとなっている。

5.『リング』

 呪いのビデオテープを見た後、恐ろしい死を迎えるまでの七日間。公開から20年以上たった今でも、世界的なテクノホラー映画(現代科学やテクノロジーを媒体とする恐怖の伝播、もしくはそうしたテーマ性を持ったもの)にインスピレーションを与え、ジャンルを定義するきっかけとなった作品としてその地位を維持している。『回路』や『着信アリ』など多くの類似作品がハリウッドでもリメイクされたが、長い白ガウンを着た少女、貞子がテレビ画面からはい出てくる衝撃のシーンは忘れ難く、観た人の心に残り続ける。

6.『呪怨』

ジャパンホラーの新たな才能、清水崇を世界に知らしめた傑作『呪怨』は根強い人気があり、現在でもNetflixなどで多数のシリーズ作品を生み出している。この映画の前に、2本のビデオ作品があり、同映画は『呪怨』シリーズの3作目に当たる。復讐(ふくしゅう)に燃える霊と呪われた家を中心に展開する作品だ。

ほかのホラー作品と異なる点は、見せない演出ではなく幽霊が頻繁に登場すること。この幽霊、俊雄がとにかく怖い。ソーシャルワーカーや刑事や親族が、謎を解き明かそうと家に足を踏み入れた瞬間に呪いが確定し容赦なく破滅してしまうのも、本作の恐ろしいところ。前2作に当たるビデオ版を観ていなくても大丈夫。この映画はそんなもの関係なく、背筋が凍るような恐怖を与えてくれる。

原文はこちら

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