* * * つのだじろう原作のホラー漫画のドラマ化だ。未来で起こる事件を予言する恐怖新聞が届き、ヒロイン・詩弦(しづる・白石聖)を襲う数々の怪現象。 お父さん(横田栄司)は、工事現場の足場が崩れて棒が突き刺さり、串刺し死するわ、夜更けにお母さん(黒木瞳)は、お父さんの遺骨をパリポリ食うわで、まさに昭和の怪奇漫画や映画を彷彿(ほうふつ)とさせる怒濤の恐怖大盤振る舞いだ。 しかしお母さんが食ってる骨壺(つぼ)の遺骨、かる~いスナック菓子みたいですやーん。湖池屋風味満点ですやーん。そう、このドラマは恐怖と笑いが次から次へのエンドレスリレー方式なのだ。 詩弦がシャワーを浴びていると、口の中から髪の毛が! 出る出るスルスル、指で引っ張ればどんどん出てくる、万国旗か! 思わず手品でおなじみ、ポール・モーリアの「オリーブの首飾り」を流したいくらい。チャラララララ~♪ やがて詩弦は恐怖新聞で予告された殺人事件を阻止しようと決意する。 しかし、浮気で家庭崩壊を招いた男が妻子を殺すのかと思いきや、現場に突如登場したのは、その不倫相手の女。鞘(さや)に「南無阿弥陀仏」と書かれたナイフをふりかざし猛然とダッシュする。
そのランニングフォームがめっちゃいい。大阪国際女子マラソンかってくらいめっちゃいい。めっちゃいいフォームのまま、男の妻子を殺害。 公園に「トルコ行進曲」が鳴り響く中、女は「ナムアミー(南無阿弥)!」(「どんだけー」のイントネーションで)と叫び、自らの首をかっ切る。 その場のメインキャラ全員に降りかかる血しぶきブシャーッ。この血しぶきの粒子が細かいのがいい。やっぱりヒロインの顔を点々と微細に彩ってこその血しぶきだ。 さらに詩弦の彼氏を寝とる幼なじみ・桃香(片山友希)はこれでもかと憎々しく、浮気彼氏・勇介(佐藤大樹)は脳みそツルッツル。 恐怖新聞配達人・鬼形礼(原作漫画の主人公)役の坂口涼太郎の顔面はリアルつのだじろうなホラー作画。と、笑いとホラーの配分も絶妙だ。 ちなみに恐怖新聞はわら半紙に刷られているらしい。久々にテレビで聞いた、わら半紙という単語。でも恐怖新聞はこれからもそうであってほしい。LINEとかメールじゃなくてわら半紙。 カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など ※週刊朝日 2020年10月9日号
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October 02, 2020 at 09:30AM
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漫画「恐怖新聞」が名ドラマに!? 笑いとホラーの絶妙な塩梅をウォッチャー絶賛〈週刊朝日〉(AERA dot.) - Yahoo!ニュース
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