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Thursday, December 17, 2020

圧巻「モビルスーツ」開発、3人のディレクターに聞く…「動くガンダム」展 - 読売新聞

hitagajah.blogspot.com

 実物大のガンダムが、横浜港・山下ふ頭で動く。19日から始まる「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」(メディアパートナー・読売新聞社)。圧巻の「モビルスーツ」の開発について、現場で指揮する3人のディレクターに話を聞いた。(文化部 岡本公樹)

 「こいつ動くぞ」――。高さ18メートルの実物大のガンダムが、ギュイン、ギュインとおなじみの効果音を立てて、右、左と巨大な脚を動かす。1979年に放送されたアニメ「機動戦士ガンダム」第1話での主人公アムロ・レイのセリフが、自然と口に出た。アニメの中に入り込んだような没入感がたまらない。

 「どうでした?」。別室で待ち構えるディレクターたちが目を輝かせて感想を聞いてきた。3人に共通するのは、ガンダムと、ガンダムのプラモデル「ガンプラ」が好きなこと。ただの好きにとどまらず、子どもの頃に描いたガンダムが躍動するシーンを現実世界で実現したのだ。

 今回の動く「RX‐78F00ガンダム」は、既存の高度なロボット技術を組み合わせて実現させたという。「日本の企業や大学などが培ってきた様々な技術や知恵が盛り込まれ、ようやくガンダムが動いた。最高の技術の結晶です」と、テクニカルディレクターの石井啓範あきのりさん(46)は強調する。

 石井さんはガンプラが好きで、大学で人型ひとがたロボットを研究し、就職先でも建設機械のロボット化に携わった。その会社では、土木建築用の重機の開発で、一つのアーム(腕)という常識を変えて2本のアームにしたこともあるという。「ガンダムのモビルスーツの影響ですね」と笑う。

 デザインを担当したのは、クリエイティブディレクターの川原正毅まさきさん(55)だ。2009年に放送30周年を記念し、東京・お台場の潮風公園に展示された実物大ガンダム立像のデザインも手がけた。「こんなに巨大で、動くロボットは世界でも例がありません。日本でなければやらないでしょう。人形浄瑠璃など、日本人に人型へのこだわりがあるからこそ実現できた企画です」と胸を張る。

 起動させる上で、腐心したのが、軽量化と両立し得るデザイン設計だ。「僕は技術畑ではないので、工学系のクリエイターの皆さんと、試行錯誤しながら練り上げて、スマートなスタイルになりました」と話す。

 ロボットを動かすにはソフトウェアによる制御が必要となる。担当は、システムディレクターの吉崎わたるさん(35)

 「最初のガンダムが放送されたのは生まれる前ですが、小学校に入る前からガンプラが好きでした」と振り返る。ロボットを操るために、小学生になるとパソコンやプログラミングを勉強した。高専のロボットコンテストなどでも、たくさんロボットを動かすソフトウェアを書いた。「現在、世界の人型ロボは大きくてもせいぜい4メートル。それがいきなり18メートルですから、いい意味でぶっ飛んでます」と笑う。

 巨大でありながら、指の関節がすべて動き、色々な表情を見せる。「大きなものをなめらかに動かす制御に苦労しました。動かなくてもかっこいいガンダムですが、動いたらさらにかっこよくなるはずです。ぜひ、決めポーズを現地で見てください」と呼びかけた。

思い入れのある ガンダムキャラは?

 石井啓範さん
 テム・レイ 「機動戦士ガンダム」地球連邦軍のガンダム開発者。アムロ・レイの父親=ガンダムを動かす技術者になり、ずっとテム・レイ気分でした。アムロと同じ年頃の息子もいるので。

 川原正毅さん
 ランバ・ラル 「機動戦士ガンダム」ジオン公国軍のグフのパイロット=私も様々な仕事を経験するうちに、中間管理職としてのランバ・ラルの悲哀が身にしみるようにもなりました。

 吉崎航さん
 カミーユ・ビダン 「機動戦士Zガンダム」の主人公=新モビルスーツの設計図を書くなど、高専生っぽいところが、高専時代にロボットコンテストに明け暮れた自分に重なります。

【開催期間】
 12月19日~2022年3月31日
【営業時間】
 午前10時~午後9時(最終入場午後8時)※メンテナンスなどのため休業や営業時間の変更の場合がある
【会場】
 横浜・山下ふ頭(横浜市中区山下町)
【アクセス】
 みなとみらい線「元町・中華街」駅から徒歩7分
【入場料金】
 大人(13歳以上)1650円、小人(7~12歳)1100円
 ガンダムを上部から見ることができる「GUNDAM‐DOCK TOWER」観覧料金(7歳以上)3300円

 ※公式サイトで事前予約可能

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