力のこもった115球を投げ終えた。八回2死の盗塁刺のリプレー検証は判定通りアウト。肩を冷やさないように5分もの長い間キャッチボールをしていた大野雄が左拳を握った。勝利に飢えた雄たけびだった。
ただ、お立ち台では「試合には勝ったが、反省しなければいけない投球内容」と、昨季は見せなかった悔しさをあらわにした。それは「対戦を楽しみたい」と待ち望んでいた阪神の注目の新人、佐藤輝との対決にほかならない。
シーズン初顔合わせとなった二回2死。高めに浮いた失投を完璧にとらえられ、右翼席へ7号ソロを浴びた。打球の方向を一瞬たりとも見ることはしなかった。「悔しかったから」。大野雄が最も嫌う先制点を許した。落ち込んだのではない。闘志に火を付けられた。
今季4試合で0勝2敗。20日のDeNA戦は8回無失点と好投しても、1点も援護をもらえなかった。昨季の沢村賞左腕でも、さすがにもどかしい気持ちはあった。
「勝ちって、難しい。チームが勝てばいいと思っているが、我慢して粘って、そういう投球を続けていけば白星が付くだろうという気持ちでやっていかないとメンタルが持たない」
開幕後、心が折れそうになった瞬間は何度もあ...
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