政府は、ワクチン接種の打ち手不足解消に、薬剤師を検討対象にしていますが、様々な課題が浮き彫りとなっています。
■薬剤師“ワクチン接種”実現には法改正
政府が目標とする“一日100万回”に向け、ワクチン接種が加速するなか、河野大臣は注射の打ち手として、全国に31万人いる「薬剤師も検討対象とする」考えを示しました。
これを受け、日本薬剤師会も、薬剤師への“ワクチン研修”を検討しているといいます。
18日、山本信夫会長は「(注射を打つ)トレーニングを我々は基本的に積んでいないので。そうしたことを改めて、トレーニングし直すということが必要」と話しました。
ただ、研修を終えたとしても、ワクチン接種は、医師や看護師らしか行うことができない医療行為のため、実現するには法改正をするなどの課題もあるといいます。
■現場も戸惑い「不安の方が大きい」
現場からも戸惑いの声が聞かれました。
東京・練馬区の薬局で働く薬剤師の佐谷怜子さんは、「『えっ』ていう驚きの方が多くて。実際、注射を打つという行為は、法律で認められてないので、教育も受けてないです。(研修を受けても)不安の方が大きいですね」と話します。
練馬区では既に、薬剤師への協力依頼が始まっていて、佐谷さんも今月2回、解凍されたワクチンの希釈や注射器への充填作業を担当しました。
こうした作業について、事前に研修キットを使って1カ月間、研修を積みましたが、実際に注射を打つとなると、さらに少なくとも2カ月の研修時間は必要だといいます。
また、実技的な課題をクリアしても、他の心配があるといいます。
佐谷さんは「実際打つ時に『薬剤師さんだったら、ちょっと嫌だから、私違うところで』とかなっちゃうことがあったら、申し訳ないかなって思いが。打つ方もですし、打たれる側も安心して接種が受けられる環境が整って、初めて(円滑に)いくのかな」と話していました。
■専門家指摘「増やすだけで解決しない」
仮に、薬剤師が打ち手として認められても、薬局などでワクチン接種ができるわけではありません。ワクチンの接種には、医師の問診が必要とされているからです。
そのため、専門家は、「打ち手を増やすだけでは、問題は解決しない」と指摘します。
グローバルヘルスケアクリニックの水野泰孝院長は、「問診は、基本的には医師がやると、私は認識しています。打ち手は例えば10人いても、問診の医者は2人とかだと、結局、全然進まない。滞っちゃったりすることもある」と話していました。
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