スポーツ仲裁裁判所(CAS)は14日、北京オリンピック(五輪)フィギュアスケート女子ROC(ロシア・オリンピック委員会)代表のカミラ・ワリエワ(15)が、昨年末のドーピング検査で陽性反応を示していた問題に関し、継続して五輪の個人戦に出場できると決定し、発表した。
翌15日のショートプログラム(SP)から出場できる。
CASのリーブ事務局長はビデオメッセージで裁定理由について「まずこのアスリートは16歳未満であり、まだ規定の下では要保護の人物。また昨年12月に行われた検査で、アスリートを出場禁止にすると言うことは、この選手に対して、害をもたらすと判断した」と説明した。
さらに、昨年12月の検査結果の通知が遅れたことに「このアスリートの責任ではないし、通知の遅れは非常に残念。アスリートに影響を与え、そしてこの冬季大会の組織者にも影響を与える。検査手続きが1週間、もしくは10日間で通知を行えるような形で完了すれば、このようなことは起こっていない」と続けた。
この決定は3人のスポーツ法の専門化の仲裁人が判断を下したという。「外部からのプレッシャー、影響をさらされることなく、この判断を下した」ことも強調した。
◆スポーツ仲裁裁判所(CAS) スポーツに関連する紛争などを解決するための独立機関。国際スポーツ組織などに詳しい弁護士、判事ら法律の専門家で構成されている。選手が法廷闘争を起こすケースが増えたことを受け、一般の裁判所とは別機関として、国際オリンピック委員会(IOC)が1983年創設。94年にIOCから独立。本部はスイス・ローザンヌ。
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