Pages

Wednesday, March 9, 2022

ガソリン高騰どこまで 熊本県内 「家計への影響大きい」|熊本日日新聞社 - 熊本日日新聞

hitagajah.blogspot.com

 ロシアのウクライナ侵攻を受け、原油価格が一段と高騰している。政府はガソリンなどの価格上昇を抑えるため、石油元売り会社に支給する補助金の上限を引き上げる追加策を10日から実施する。ただ原油相場が沈静化する見通しはなく、熊本県内の企業や消費者からは先行きを不安視する声が上がっている。

 経済産業省が9日発表した県内のレギュラーガソリン平均小売価格(7日時点)は1リットル当たり173円40銭。4週連続で値上がりし、1年前と比べると約30円高い。2008年9月以来、13年半ぶりの高値水準だ。

 「ウクライナ情勢が落ち着かない限り、ガソリンは高値が続くだろう」。熊本市内にガソリンスタンド10店舗を展開する肥後石油(同市)の小山浩一郎社長は話す。同社の2月のガソリン販売量は前年同月比5%減。「高値で消費者が給油を控えている。3月の販売量も減る見込み」と表情を曇らせる。

 政府はガソリンなどの燃油価格急騰策として10日から補助金の上限を1リットル5円から25円に引き上げ、10~16日の補助額を17円70銭と決めた。全国平均価格を1リットル172円程度に抑制することを目指す。

 肥後石油は、16日までは現行の価格水準を維持する方針。しかし、小山社長は「17日以降は原油価格の上昇分が補助上限の1リットル25円を上回る見通しで、このままでは値上げが避けられない」と話す。

 8日、熊本市中央区のスタンドで給油していた女性会社員(33)は「家計への影響は大きく、これ以上の値上がりは困る」、別の女性会社員(32)は「ガソリンは高値が続いており、政府補助の実感はあまりない」と話した。

 「コロナ禍で売り上げが落ちる中、経営への燃料高騰の影響は大きい」。熊本タクシー(同市)の倉岡征宏社長は嘆く。保有車両が主に燃料とする液化石油ガス(LPG)の3月の仕入れ価格は、1年前に比べて3割増しだという。

 政府は追加策に、タクシー事業者にLPGの価格上昇分を補助することを新たに盛り込んだ。倉岡社長は「負担軽減につながり、ありがたい」とする一方で「エンジンオイルなども値上がりしており、コストが下がる要因が見当たらない」と懸念する。

 原油高はクリーニング店の経営も圧迫。「ホワイト急便」を展開する「日本さわやかグループ」(同市)ではボイラー燃料の重油のほか、プラスチック製ハンガーや洗剤に使う石油系溶剤が値上がりし、コストが1年で1割以上増えた。

 コロナ禍で外出着を中心に需要が伸び悩む「ダブルパンチ」の状態。担当者は「もうしばらく企業努力で乗り切りたいが、原油高の出口が見えない中、どこまで価格転嫁せず耐えられるか…」と不安を口にした。

 政府は農漁業者向けの対策として、燃油高騰分を補塡[てん]する既存の基金制度を拡充する。熊本市西区で冬春ナスを栽培する農家の坂田憲一さん(44)は「ハウスに使う重油は生育や収量に直結する。拡充はありがたい」。ただ、補塡金が支払われるのは申請から数カ月後だ。「肥料や資材も高騰し、資金繰りが厳しい」と、一刻も早い支援を訴えた。(経済取材班)

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( ガソリン高騰どこまで 熊本県内 「家計への影響大きい」|熊本日日新聞社 - 熊本日日新聞 )
https://ift.tt/eZxFJh3

No comments:

Post a Comment