越前和紙の原料を流し込み、手作り紙世界一に挑戦する岡本小の児童や卒業生ら＝越前市の同校で
越前市岡本小創立１５０周年記念
創立１５０周年を記念して越前市岡本小学校の児童や卒業生ら５５０人が１１日、同校グラウンドで幅１．７メートル、長さ１００メートルの和紙作りに挑戦した。出来上がる紙は広さ１７０平方メートル。これまでの手作り紙の世界記録を上回る大きさで、ギネス記録認定を目指す。 （中田誠司）
越前和紙産地の子どもたちの特別な思い出となり、地元への愛着と紙作りへの理解が深まるようにと、記念事業実行委員会が企画した。
実行委によると、現在の手作り紙世界一はパラグアイで制作された百四十九平方メートル。実行委の小畑明弘会長は「世界一に挑戦し、コロナ禍でたまった鬱憤（うっぷん）を晴らしましょう」とあいさつ。山田賢一越前市長も「越前和紙はみんなの宝。世界中に、未来に伝えましょう」と述べた。用意したのはコウゾ、ミツマタ、ガンピを使った和紙の原料約四トン。児童が卒業証書用に育てたコウゾも混ぜた。長さ百メートルの木枠の両側にゼロ歳児から八十六歳までの参加者が並び、秒読みに合わせて一斉にバケツで投入。在校生が名前を書いた自分の手形を上に載せた。
一九五七（昭和三十二）年卒業の玉村秋子さん（７８）＝岩本町＝と土田しづゑさん（７１）＝同＝は、手作りした越前和紙製のかっぽう着とたすきで挑戦。玉村さんは「きょうのために夜なべをして作った。（世界一は）できる」と自信たっぷり。同校六年の石田楓乃さん（１２）も「見たこともないサイズでびっくり。（挑戦は）成功する」と笑顔で答えた。
手作り紙はサイズを計測した後そのまま乾燥させ、十三日はがしてはがして保管。十月一日の創立記念式典でお披露目し、ギネス挑戦の結果も発表する。
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