「固定電話恐怖症」に悩む若者のための処方箋
「固定電話恐怖症」の人に、固定電話を取り次ぐ苦痛を和らげる方法はあるのでしょうか?(写真:Ushico/PIXTA)
少し前にテレビで「固定電話が怖い新入社員」について特集されており、SNSなどでは多くの人が共感の声をあげていました。
正直に言えば、20代のときは私も「固定電話恐怖症」でした。新人時代、先輩から「電話を真っ先に取るもんだぞ」と教わり、ベルが鳴ると何をしていても誰よりも早く受話器を取る。まるで競技かるたのような世界にいました。
しかも当然、自分宛の電話はほぼゼロ。相手が誰かもよくわからないのに、一度簡単に用件を聞いて、先輩や上司に取り次ぐ。無駄だなあと思っていました。ただ、それから30年近く経った今でも固定電話は使われて続けています。
会社に「固定電話」がなくならない理由
なぜ「固定電話」はなくならないのか? その理由は主に3つあります。
まずどんな会社にも「用事はあるが、担当が誰かわからない」というニーズのために代表電話という役割が固定電話にあるからです。小さな会社だと、それがフロアにあって、誰かが出なくてはいけません。また、社長や役員など、自分直通の電話をオープンにしてしまうと、トップアプローチしたい営業などからどんどんかかってきてしまいます。その露払いとしても固定電話が役立つわけです。
そして、最後はつまらない理由ですが、会社が経済的理由から社員に直通電話や携帯を持たせたくないために、共有の固定電話が置かれることもあります。
固定電話から新人宛の連絡がくることはほとんどないのに、なぜ彼ら彼女らが真っ先にそれを取らなくてはならないのか。それは社長や経営者や上司よりも、新人のほうが「人件費が安い」くらいの理由しかありません。固定電話に悩まされている若い人にとっては悲しい現実でしょう。
こうした理由があるために、会社から固定電話をなくすことはまず無理です。そうであれば、いっそのこと固定電話を「苦行」から「学びある修行」と再解釈してみるのはいかがでしょうか?
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March 02, 2020 at 03:35AM
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