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Saturday, August 27, 2022

ウクライナ 大きい心の傷 映像ジャーナリスト 安来で講演 南部オデーサ市民の声伝える - 山陰中央新報社

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戦地ウクライナの様子を語る玉本英子さん=安来市広瀬町布部、布部交流センター

戦地ウクライナの様子を語る玉本英子さん=安来市広瀬町布部、布部交流センター

 ロシアに侵攻されたウクライナで取材したアジアプレス所属の映像ジャーナリスト玉本英子さん(56)=大阪府在住=が27日、安来市内で講演した。一見、街の様子は普通に見えるがほぼ毎日、防災サイレンが鳴り、市民の心には深い傷が残っていることを、取材映像を交えて紹介。「いかに戦争をなくすかは難しい課題だが、考え続けなければならない」と説いた。(桝井映志)

 ▼Sデジに講演要旨を掲載
​ https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/260063

 玉本さんは、20日まで1カ月、ウクライナ南部のオデーサ(オデッサ)で市民の声を拾った。ほぼ毎日、避難を促す防災サイレンが鳴り、地下シェルターへの避難も経験した。

 攻撃された住まいの様子を見に母親と訪れた5歳の男児が、着いた途端に「嫌だ。入りたくない」と叫ぶさまに、心の傷の大きさを感じた。子どもたちのケアのため、ぬいぐるみセラピーを施す精神科医は「トラウマ(心的外傷)を完全になくすことは無理。少しでも軽減することが大事だ」と話していたという。

 ロシアに支配された東部のマリウポリから避難してきた15歳の少女が、日本の人気漫画「呪術廻戦」の単行本が宝物だと子どもらしい顔を見せる一方で「今に感謝し、愛する人を大切にするようになった。なぜなら、死んだらできないから」と話す姿に、考えさせられた。

 市民に「戦争が早く終わるといいですね」と語りかけると「ここで終わったらロシアに支配される。だから、突き進むしかないんだ」と返ってきたのにも、複雑な思いを抱いた。

 玉本さんは「そういう状態に陥ると、もう止められない。前の段階で止める強い努力が必要だ。私たちも人ごとではないということを心の隅に置いて暮らし、社会の動きに心を寄せることが大事だ」と訴えた。

 講演は加納美術館(安来市広瀬町布部)が開き、約60人が聴いた。

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