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Friday, March 6, 2020

なでしこがスペインに完敗…そのショックは想像以上に大きい(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース

【鈴木良平の「クールアイ」】

 アメリカ・フロリダ州で開幕した「シービリーブス杯」に参加している日本女子代表(世界ランク10位)は、初戦でスペイン女子代表(13位)と対戦した(日本時間6日午前6時20分開始)。

 旧来の女子サッカー界はパワー、スピード、高さを追い求めてアメリカやドイツ、北欧勢や中国が世界トップを争ってきた。なでしこジャパンはフィジカルの差を埋めるのではなく、長短のパスを織り交ぜながらボール支配率を高め、ゲームの流れを支配して勝利を掴み取るサッカーを推し進め、2011年ドイツW杯で世界女王となった。

 なでしこと同じパスサッカーを採用し、着実にレベルアップを果たしてきたスペインだが、今回の対戦では、なでしこの良さが随所に見られると思っていた。結論から言おう。完全に日本の上を行ってしまった。これが正直な感想である。

 スペインの選手は高い技術をベースに前線、両サイド、最終ライン……と、エリアを問わずに正確にパスを回し、局面に応じたプレスを的確にかけ続けた。攻守の切り替えもスムーズだったし、チーム全体の連動性も実に見事なレベルだった。

 前半8分。スペインが最終ラインから前線に縦パスを入れ、そこから右サイドに展開。右ウイングのカルドナが、相対する日本左SB遠藤をスピードで振り切って折り返し、最後はFWプテジャスがダイレクトでゴールを奪った。所属クラブでは左ウイングとしてプレーする遠藤が<穴>と見抜いたスペインは、日本の左サイドを何度も攻め立てた。

 前半終了前にFW岩渕が、素晴らしいシュートを決めた。右サイド後方からの浮き球ミドルパスに好反応。相手DFの背後を突いてスライディングしながら右足ダイレクトボレー。コントロールされたボールはGKの頭上を越え、左サイドネットに吸い込まれた。

 現チームでW杯優勝メンバーは、大会前で代表歴110試合の主将のCB熊谷と同69試合の岩渕しかいない。この2人に以外で経験値の高い選手となると78試合のMF中島、69試合のFW菅原くらい。W杯女王となって何年も経過したが、その後は主軸を張れるような中堅、若手選手が出てきていない。ドイツW杯の代表選手の多くが、すでに現役引退しているというのに、抜けた穴を埋める選手が見当たらない。

 それでもなでしこは、徹底してパスサッカーに磨きをかけ、決して受けに回ることなく、前線から積極的にプレッシャーをかけて攻守にアグレッシブにプレーすれば、他国がスタイルの違うサッカーをやっている限り、勝機を見出すことは十分に可能である。世界ランク1位のアメリカ、2位のドイツを相手にパワーとスピードに完膚なきまでに敗れたとしても、今後の戦い方に希望が持てる。

 そう思っていたのだが――。

 試合直後に岩渕は「完敗。日本の長所が一切でなかった。スペインのサッカーが理想。立て直したい」とコメント。好セーブを連発して“3失点で抑えてくれた”GK山下は「ボールを持ってもすぐに失った。ビルドアップ(後方からパスを繋いでいって相手ゴールを迫っていく)がまったくできていなかった」と渋い表情で振り返った。

 日本がやろうとしているパスサッカーをスペインに高い次元でやられてしまい、完敗したショックは想像以上に大きかったようだ。スコアは1-3だったが、なでしことスペインとのレベル差は、明らかに点差以上の開きがあった。

 選手たちのショックはいかばかりか。なでしこは今後、どう強化していけばいいのだろう。

 経験値を高める? 日々のトレーニングで個々の選手がレベルアップに務める? フィジカルを強化する? いずれも一朝一夕にかなうものではない。せめて代表選手の多くが、レベルの高い欧州各国リーグに所属して世界でもまれていたら、今日のような完敗劇にはならなかっただろう。

 現なでしこのメンバーで、海外組はフランスのリヨンでプレーしているいCB熊谷ひとり。圧倒的多数が国内組という状況にあって、なでしこのレベルを上げるには、非常に骨の折れる作業が待ち構えているだろう。

(鈴木良平/サッカー解説者・なでしこジャパン初代専任監督)

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