米国の作家マイケル・クライトンの小説「恐怖の存在」(ハヤカワ文庫)は、気候変動問題をめぐって、科学と政治が結びついた時の危険性に警鐘を鳴らした意欲作だった▼その一例として挙げられたのが、19世紀末に登場した優生学だった。障害者を「安楽死」と称して殺害したナチス・ドイツの政策の根拠となったことで広く知られている▼留意したいのは当時、多くの社会主義者や自然科学者も優生思想に期待を寄せていたことだ。著名な経済学者や作家も含まれる。断種法の制定もドイツより米国などの方が早く、多くの国で立法化されたことを忘れてはなるまい▼日本医学会連合の検討会がきのう、旧優生保護法に基づく強制不妊手術について、医学者や学会が立法や運用に関与したと認める検証報告書を公表した。長年問題を放置した責任に触れ謝罪すべきだとした意義は大きい▼重要なのは今後への生かし方だろう。「障害者は不要」と発言した相模原殺傷事件の植松聖(さとし)死刑囚の考えに対し、賛同の声がネット上に広まった。人間が作り出す「恐怖」が過去のものとは言い切れぬ▼胎児の染色体を調べる新型出生前診断やヒト受精卵の遺伝子を改変するゲノム編集なども、優生思想につながるリスクを懸念する声が根強い。日本医学会連合の検証結果は今後の指針作りに生かされるという。過ちを繰り返さないための道しるべとしたい。2020・6・26
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June 26, 2020 at 02:30AM
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