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Thursday, February 4, 2021

キネ旬ベスト・テン日本映画1位は『スパイの妻』 黒沢清監督「1位いただきました!」スタッフ&キャストに感謝 - シネマトゥデイ

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黒沢清監督
黒沢清監督

 映画雑誌「キネマ旬報」による映画賞「第94回キネマ旬報ベスト・テン」発表&表彰式が4日、Bunkamuraオーチャードホールにて開催され、黒沢清監督の『スパイの妻<劇場版>』が日本映画ベスト・テン第1位および、日本映画脚本賞に選出された。黒沢監督は「この映画に関わったすべてのスタッフ、キャストを代表していただきました」とあいさつすると、作品に関わったスタッフ全員の名前を挙げ、受賞の喜びを語った。

【写真】受賞者たちが喜びのスピーチ!

 『スパイの妻<劇場版>』 は、太平洋戦争前夜を背景に、満州で偶然恐ろしい国家機密を知り事の顛末を世に知らしめようとする貿易会社社長・優作(高橋一生)と、その妻・聡子(蒼井優)の試練を描くサスペンス。黒沢監督が東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻の教え子だった濱口竜介野原位(『ハッピーアワー』など)によるオリジナル脚本を得て、初の歴史モノに挑戦。第77回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞し、世界的にも高い評価を受けた。

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 黒沢監督は「作品賞というのは、映画に関わったスタッフ、キャスト全員の力が発揮されたからこそいただける賞」と笑顔を見せると、映画に関わったスタッフの名前を一人ずつ挙げる。さらに劇中、夫婦役を演じた蒼井優や高橋一生ら、俳優陣の名前も挙げると「みなさんの努力と才能がこういう形で評価されました。キネ旬1位いただきました!」と受賞の喜びを表現した。

脚本賞を受賞した濱口竜介、野原位、黒沢清

 本作は、2020年6月にNHK BS8Kで放送されたドラマを劇場用に再構築した作品だが、黒沢監督は「あまりテレビドラマと映画の違いを考えてものを作っていない」と言い、「テレビやパソコンなど、いろいろな環境で観られることがありますが、僕は作品を作っているときは、いつか映画館のスクリーンでかかることを夢見て、それに耐えられるものを作るように心がけています」と自身のモットーを語っていた。

 多くの観客から評価された本作。司会の笠井信輔アナよりその理由を尋ねられた黒沢監督は「分かりませんね……」と謙遜するも、「戦争という非常に重いテーマを中心に据えながら、サスペンスやメロドラマといった、ある種娯楽映画の構造を同時に実現したことが、日本映画としては珍しく感じてもらえたのかもしれません」と思いを巡らせていた。受賞結果一覧は下記の通り。(磯部正和)

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第94回キネマ旬報ベスト・テン受賞結果

日本映画監督賞 大林宣彦『海辺の映画館-キネマの玉手箱
日本映画脚本賞 濱口竜介、野原位、黒沢清『スパイの妻<劇場版>』
外国映画監督賞 ポン・ジュノ『パラサイト 半地下の家族
主演女優賞 水川あさみ『喜劇 愛妻物語』『滑走路
主演男優賞 森山未來『劇場版『アンダードッグ』』
助演女優賞 蒔田彩珠『朝が来る
助演男優賞 宇野祥平『罪の声』『本気のしるし 《劇場版》』『恋するけだもの』『37セカンズ』『星の子
新人女優賞 モトーラ世理奈『風の電話』『タイトル、拒絶
新人男優賞 奥平大兼『MOTHER マザー
読者選出日本映画監督賞 田中光敏『天外者(てんがらもん)
読者選出外国映画監督賞 ポン・ジュノ『パラサイト 半地下の家族』
読者賞 川本三郎 連載「映画を見ればわかること」
特別賞 野上照代

日本映画ベスト・テン第1位 『スパイの妻<劇場版>』
外国映画ベスト・テン第1位 『パラサイト 半地下の家族』
文化映画ベスト・テン第1位 『なぜ君は総理大臣になれないのか
読者選出日本映画ベスト・テン第1位 『天外者(てんがらもん)』
読者選出外国映画ベスト・テン第1位 『パラサイト 半地下の家族』

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