阪神が関西ダービーの初戦に競り負けた。接戦をモノにできなかったチームにとって、岩崎が失点したダメージは大きかった。

山田 今のオリックスはどのチームと戦っても互角以上に戦える。チーム力が上昇しているオリックスと、全体的に下降気味の阪神という感じでみていた。しかも開幕から走ってきた阪神だが、交流戦では簡単に逃げ切れなくなってきた。

8回からの岩崎投入で勝機を待つ展開だった。だが、1死から3番吉田正に中前打、続く杉本の三遊間寄りのゴロを処理して二封を狙った中野が悪送球で一、二塁。2死から安達の中前適時打で勝ち越され、続く福田に四球を与えたところで降板した。

山田 この一戦だけでなく、本来の岩崎らしい真っすぐが少なくなってきている。杉本の遊ゴロは確実に1つのアウトを取っておくべきプレーだったし、逆にオリックスがよく食らいついたといえる。だが、それらの影響を差し引いても、岩崎の内容は良くない。もう何試合か見たいところだが、首脳陣としては岩崎の調子を上げるための手立てを考えるタイミングにきているのかもしれない。

交流戦の岩崎は3試合に登板し、これが2試合目の失点だった。25日のロッテ戦(甲子園)で1点リードの8回、マーティンに逆転2ランを浴びている。

山田 こういう打たれ方が続いた投手は、まずキズをいやしてあげないといけない。そして岩崎を復調させるには、ポジションを変えるか、あるいはピンチになったときに早めにスイッチするなど、選択肢はいくつかある。岩崎以上に8回を任せることのできる人材が見当たらないだけに、苦しいところだ。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

阪神対オリックス 8回表オリックス2死一、二塁、岩崎は安達に中前適時打を浴びる(撮影・加藤哉)
阪神対オリックス 8回表オリックス2死一、二塁、岩崎は安達に中前適時打を浴びる(撮影・加藤哉)
阪神対オリックス 8回表オリックス2死一、二塁、安達に中前適時打を打たれた岩崎(撮影・前岡正明)
阪神対オリックス 8回表オリックス2死一、二塁、安達に中前適時打を打たれた岩崎(撮影・前岡正明)