
世の中に辛いことや悲しいはたくさんあるが、失恋によるストレス、いわゆる精神的ダメージは思ったより大きいようだ。
『Frontiers in Behavioral Neuroscience』(4月9日付)に掲載された研究によると、そうした失恋の痛みは脳の実行機能にすら影響を与えるのだという。
・失恋と脳の作業記憶の関係を調査
ストレスやうつが脳の実行機能、とりわけ作業記憶を変化させるということを示した研究はいくつもある。
そこでオランダ、フローニンゲン医療センターの研究グループは、ストレスが脳に与える影響を効率よく調べる方法として、失恋した人たちを対象にした。失恋によるストレスは特に大きいからだ。
同グループの研究に参加したのは、過去6か月以内に恋人と破局を迎えた人71名(失恋グループ)と現在も関係が続いている人46名(交際中グループ)だ。彼らに作業記憶を働かせねば解けない課題に挑戦してもらい、そのときの脳の様子をfMRIで観察する。
具体的に行われたのは「Nバック課題」という問題だ。これは脳科学の分野では一般的なもので、たとえばアルファベットを1文字ずつ連続で表示して、目の前に表示されたものが2つ前の文字と同じだったら回答するという内容だ。一致させる文字をもっと前のものにすれば、認知機能に加える負荷を高めることができる。
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・失恋グループの作業記憶関連領域の活動低下を確認
その結果、面白いことがわかった。低負荷のテストの場合、意外にも失恋グループは交際中グループに比べて反応速度が速く、しかも正確だったのだ。つまり感覚情報処理能力が高まっていたということだ。
研究グループによると、強いストレスを感じている人にはこうしたことが観察されるのだという。
しかしfMRIによる観察では、「楔前部」の活動が低下していることが確認されている。ここは脳が記憶を取り出すときに活発になる部分だ。
また高負荷のテストを行なっている最中、楔前部だけでなく、「前帯状皮質」「補足運動皮質」「外側後頭皮質」の活動も低下していることがわかった。これらも作業記憶に関係している領域だ。
そうした領域の活動低下は、失恋による落ち込みが激しい人ほど、より大きなものだったという。
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・失恋で落ち込んだだけでも脳に影響
なお今回の実験参加者は、失恋のせいで落ち込んではいたものの、うつ病と診断されるほどの人はいなかったという。
つまり多少気分がブルーになっていることを除けば、普通に健康な人たちだった。それでもなお、脳の活動が変化してしまったのだ。
研究グループは、破局したばかりの人たちを調べれば、ストレスを感じる出来事・うつ・脳の実行機能の関係を理解するヒントを得られるだろうと結論づけている。
それは病気と診断されるレベルのうつとストレスとの関係の解明にもつながるかもしれないとのことだ。
References:Brain imaging study finds recent heartbreak is associated with alterations in working memory/ written by hiroching / edited by parumo
からの記事と詳細 ( 失恋のダメージは大きい。脳の実行機能に影響を与えることが判明(2021年7月3日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース )
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