サマーズ元米財務長官は12日、米経済が直面する賃金圧力は過去より高く、米金融当局はインフレ退治に向け、現時点の市場の織り込みより「幾分高く」政策金利を引き上げる必要があるのではないかとの認識を示した。
コロナ禍前に約4%だった中立的失業率が今は5%に近く、インフレが落ち着き始めるには、失業率がそこから大きく上昇しなければならないというのが、サマーズ氏の現状評価だ。
シドニーで開かれた会議でオンラインによる講演を行ったサマーズ氏は、「高い賃金インフレの状態で低インフレの国にはなれず、米国の賃金インフレはかなり高いと思われるため、私は賃金インフレを大いに注視するつもりだ」と語った。
9月の 米失業率は3.5%と予想に反して低下し、歴史的な低水準となった。物価の沈静化に向け、政策担当者は労働市場を著しく軟化させたい意向だが、限られた労働力を企業が奪い合う中で賃金が上昇している。
サマーズ氏は「労働需給の引き締まりの度合いにかかわらず、賃金上昇圧力は過去と比較して今後大きくなり、そうした状況が当面続くだろう」と述べた。
失業率の急上昇がディスインフレ達成の前提という見解は、米経済のリセッション(景気後退)入りがほぼ不可避と同氏が考える理由を説明する。
原題: Summers Sees Stronger US Wage Pressures in Changed Labor Market(抜粋)
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