山形県鶴岡市出身の和田真由子さん（３１）が代表を務めるアパレル「エスティーム」（東京）が、紳士服大手「コナカ」（横浜市）と胸の大きな女性用のシャツとジャケットを共同開発した。コナカ系列の２００店舗で扱う。自身の悩みをきっかけに起業し、７年で全国の店舗に販路を広げた和田さんは「どんな人も自分らしくいられるよう後押ししたい」と強調する。
11～17日仙台に期間限定店
入学式や入社式での着用を想定し、白のレギュラーシャツと襟元にボタンがないＶネック状のスキッパーシャツ（各６４９０円）、黒のジャケット（３万１９００円）の３点を１月２１日に発売した。
胸のサイズと身長を掛け合わせた独自の採寸方法で各６サイズを用意する。３点とも胸の部分は立体的にし、胴回りを絞ることで体に沿わせたデザインに仕上げた。シャツはボタン間の裏にスナップボタンを仕込み、隙間の広がりを防ぐ。ジャケットはボタン上部の裏にホックを付け、前面のＶ字型の切り込みを美しく保つ。
既製のジャケットやシャツは、胸に合わせたサイズだと袖や丈が長く、だらしない印象になる。顧客の「仕事着をすっきり着こなしたい」との要望に応えた。
大きい胸に悩んでいた和田さんは自分に合う服を作ろうと２０１６年、エスティームとともに胸のサイズＥカップ以上を表すブランド「ｏｖｅｒＥ（オーバーイー）」を設立。２１年１１月、コナカに共同開発を提案し業務委託契約を結んだ。
コナカの湖中謙介社長（６２）は「和田さんの熱い思いに共感した。今回の型紙を活用し、働く女性向けのスーツスタイルを提案していきたい」と語った。
和田さんは「胸の大きい『女性性』を強調させたくない人もいる。普通に服を着られることが重要」と話した。
全国のコナカ、フタタ、スーツセレクト各店の他、オンラインでも販売する。全国５カ所で１日から、３点を含むオーバーイーの期間限定店を巡回開催。仙台市青葉区の「コナカ仙台駅前本店」は１１～１７日を予定している。
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