中日京田陽太内野手(26)が9日、憧れのロッテ鳥谷の前で好調ぶりを見せつけた。第1打席の2点本塁打を含め5打数3安打4打点。新型コロナウイルス感染拡大による自主期間明けの練習試合通算は23打数10安打6打点、打率4割5分5厘と伸ばした。阪神からロッテへ移籍したレジェンドに4年目の成長を披露した。

2回2死一塁。二木の140キロ直球を捉えると、8メートルの逆風を切り裂いた打球は右翼席中段に弾んだ。「手応えはすごく良かった。タイミングが取りにくい投手だったので、しっかりアジャストできたのは良かった」。プロ通算11本塁打、オープン戦0アーチの男が、パワーをアピールした。8回1死一、三塁の第4打席では、中越えの2点三塁打で猛打賞を決めた。

同じフィールドにいた鳥谷の存在も背中を押した。同じ右投げ左打ちの遊撃手。少年時代から憧れ、昨年からは阪神時代の鳥谷と同じ背番号1も手にした。試合前練習で今季初対面。「僕の中ではすごく存在の大きい人なので。ずっと試合に出られる選手になりたいと思います」と、喜びを隠せなかった。

昨春のオープン戦終盤。守備の連携プレーでミス。懲罰交代から開幕戦でのスタメン落ちにつながった。1年目から続けてきた連続試合出場が止まり、鳥谷の1939試合連続出場記録への挑戦も止まった。開幕まで練習試合は残り5試合。前日8日も休日返上でZOZOマリンで汗を流した。「絶対、消極的なミスをしないこと。去年もそれで失敗した。1つのプレーで人生が変わる」。偉大な先輩の前でさらに気を引き締め直した。【伊東大介】

○…鳥谷が9回に放った左前打を京田が手放しで喜んだ。「(移籍後)初ヒットを目の前でみることができて良かった」。今季の交流戦、オールスターは中止が決まった。開幕後に再会するためには中日とロッテが日本シリーズで戦うしかない。「1戦1戦しっかり戦うこと。その結果が優勝であったり、日本シリーズだと思う」と話した。