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Saturday, July 11, 2020

きゃあ!夏の恐怖「G」発見…虫嫌いの正しいバトルと防止策 - 読売新聞

気温の上昇とともに、蚊やゴキブリなど虫の存在が気になる季節になりました。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」にも、虫恐怖症の女性から投稿があり、家庭でできる害虫対策が活発に論じられています。虫は人間と比べれば、とても小さい存在。にもかかわらず、なぜ「怖い」「嫌い」「無理」などと白旗をあげてしまうのでしょう。専門家に聞いてみました。

モスラみたいな蛾が…

「私は虫嫌いというより、虫恐怖症」と書いたのは、トピ主「夏の恐怖」さん。これまでは24時間ゴミ出しができる都内のマンション住まいで、一年中、ほとんど虫を見ることはありませんでしたが、近々引っ越すことになり、「玄関は半外廊下、ゴミは決まった日に出す」という環境に。「顔に当たりそうで、特に飛ぶ虫が苦手。玄関などにモスラみたいなが張り付いていたら、家の中に入らないか心配で、ドアを開けられません。予防や、万が一の時に役立つ対策やグッズなどあれば、教えてください」と呼びかけました。

この投稿に、「玄関と勝手口に虫よけカーテンしてます」「屋外用のゴキブリ駆除剤は効果てきめんでした」「玄関周りには外壁用のスプレー、網戸には網戸用のスプレーを定期的にかけてました」など、様々な体験談が寄せられています。

ちなみに、「夏の恐怖」さんは、自分の嫌いな虫について、次のように三つに分類しています。
【×】退治も怖い→G(ゴキブリ)、蛾、セミ、ハチ
【△】嫌いだが何とか→蚊、ハエ、チョウ、トンボ
【○】なぜだか平気→クワガタ、カブトムシ。ハエトリグモは味方と思って○
虫嫌い、虫恐怖症と自認しているのに、虫の種類によって「何とか対応できる」と分類できるものがあるのはどうしてなのでしょうか。

虫ケア用品メーカーの「アース製薬」(東京都千代田区)に蚊やゴキブリの生態を知り尽くす女性がいるというので、さっそく問い合わせてみました。「きらいになれない害虫図鑑」(幻冬舎)という本も出している有吉立課長は、商品開発や生態研究に必要な実験用害虫を育てているそうです。

「恐怖心」を抑える方法

アース製薬の有吉さん

――虫は人よりも小さいのに、なぜ怖いと感じるのでしょうか。

幼いころから虫の少ない環境に育ったため、虫を実際に見たり、触れたりすることが少なく、「未知なるものへの不安」「何をするか分からない心配」「危険かもしれない懸念」などが頭をよぎり、「嫌い」「怖い」「避ける」という思考につながっていると思われます。

トピ主さんが、クワガタ、カブトムシは【○】としているのは、危険ではないという認識があるからと考えられます。「ハエトリグモは味方と思って【○】」ということは、ハエトリグモが嫌いなハエや蚊を捕まえてくれるという知識があるからと思います。つまり、それぞれの虫についてもっと具体的な知識を持てば、怖がる気持ちを抑えられるかもしれません。

――逆に怖がらなければいけない虫を教えてください。

〈1〉感染症を媒介する虫…蚊、マダニなど
蚊はデング熱やマラリアを媒介します。世界中で人を殺している生物のナンバー1です。マダニは、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という感染症を媒介し、日本では毎年10人くらいが亡くなっています。

〈2〉刺されると死に至る可能性がある虫…ハチ、セアカゴケグモ、ヒアリ
日本ではハチに刺されたアナフィラキシーショックで、年間10~20人が亡くなっています。セアカゴケグモ、ヒアリといった特定外来生物も、偶発的に人をかんだり刺したりしてくるので危険です。

写真はイメージです

〈3〉退治が難しい虫…トコジラミ
感染症を媒介することはないですが、刺されると、とてもかゆく、つらいと言われています。海外から入ってきたトコジラミは、殺虫剤が効きにくく、明るい昼間は人の目の届きにくい暗がりに隠れているので、退治が大変です。

〈4〉見えないけれど必ずいる虫…チリダニ
目には見えませんが、家の中に必ずいます。エサがあり、温湿度が高いと爆発的に増えることがあります。そうすると、チリダニ類をエサとしているツメダニ類が出てきてしまい、これが人を刺すことがあります。

チリダニは、一度封を開けて保管しているパンケーキミックスやお好み焼き粉の中に発生しやすいことが知られています。ダニの発生に気づかないまま、粉料理を食べてしまい、アナフィラキシーショックになる「パンケーキシンドローム」も注意が必要です。

ゴキブリが来なくなる空間の作り方

――ゴキブリが怖いという人が多いと思いますが、対策はありますか。

ゴキブリは、暖かくジメジメと湿気があり、日の当たらない物陰を好み、エサのある場所に集まります。つまり、その真逆の空間を作れば、ゴキブリは来なくなります。風通しがよく、気温は低めで、日当たりの良い、乾いている広い空間です。

ゴキブリが生きていくためには、エサと水が必要です。食べ残しは密封し、生ゴミは侵入を防げるようにフタ付きの容器に入れるなどこまめな対策が必要です。ゴキブリにとって、水1滴は、人間にとってビールジョッキ1杯分に相当すると言われています。キッチンのシンクは、1日の最後に、水滴を残さないように拭きあげるようにしましょう。

日々、虫の生態を研究する有吉さん(アース製薬提供)

ゴキブリは、屋外と屋内を行き来しています。侵入を防ぐには、屋外用ゴキブリ毒餌剤(ブラックキャップ)を玄関付近、窓際、ベランダなどに設置して、家の外でゴキブリにエサを食べさせ、屋内に侵入する前に駆除する方法が望ましいと思います。マンションなどの集合住宅の場合、隣家から移ってくるリスクもあります。宅配の荷物の段ボールの隙間に小さな幼虫が潜んでいることがあるので、段ボールはすぐに処分した方がいいでしょう。

――怖い虫に出くわしてしまったら、どう戦えばいいでしょうか?

虫が嫌いな人は、ティッシュで捕まえるというのも難しいでしょう。ガムテープを使って退治するほうがハードルは低いかもしれませんが、距離を詰められない人もいるでしょう。少し離れた所から、殺虫スプレーを噴射するというのが現実的かと思います。殺虫成分が気になる場合は、凍らせて殺すタイプのスプレーが安心です。

――虫を好きになる方法ってありそうですか?

まずは、虫をよく知ることです。こちらから何かをしない限り、悪さをしてこない虫なら、過剰に怖がらなくてもいいはずです。私自身、虫が大嫌いでこの仕事に就いているのですが、虫を正しく知ることで、「怖がらないといけない虫」と「怖がらなくてもいい虫」の区別がついて、以前より暮らしやすくなりました。

【紹介したトピ】
夏の恐怖「虫」。家の中の虫対策について。
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有吉 立(ありよし・りつ)
アース製薬研究開発本部研究部研究業務推進室生物研究課課長

兵庫県出身。都内の美術学校を卒業後、家具店店員、陶芸教室講師などを経てアース製薬に入社。害虫飼育員。著書に「きらいになれない害虫図鑑」(幻冬舎)。

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