新体操の世界選手権第3日は29日、北九州市の西日本総合展示場で行われ、団体総合で日本(杉本、松原、鈴木、稲木、今岡)はボール、フープ・クラブの2種目合計84・900点で4位となり、前回の2019年大会銀メダルに続く表彰台はならなかった。
東京五輪銀メダルのRGF(ロシア連盟)が合計88・350点で5連覇し、五輪銅メダルのイタリアが86・000点で2位、ベラルーシが85・400点で3位に入った。
団体種目別予選で日本は19年大会金メダルのボールが45・000点の2位、銀メダルのフープ・クラブは39・900点の5位となり、それぞれ上位8チームによる31日の決勝に進出した。
大会第4日の30日は個人総合決勝があり、ともに東京五輪代表で予選8位の喜田純鈴(エンジェルRGカガワ日中=高松中央高出)、同18位の大岩千未来(イオン)ら18人が出場。予選の得点は持ち越さず、ボール、クラブ、リボン、フープの4種目の合計点で争う。
記者席から 5人の連係、見応え十分
団体総合は見応えがあった。13メートル四方のフロアで、5人それぞれが複雑に位置や体勢を変えながら、一つの生き物のように連動する美しさ。加えて、今大会で注目を集めたのは日本と同様、東京五輪が失意の結果に終わった王国ロシアの「リベンジなるか」だった。
日本が2大会連続8位となった夏の東京で、今回RGFとして参加するロシア勢は準優勝。6連覇を果たせなかった。
雪辱の懸かる北九州の舞台と思いきや、五輪団体金メダルのブルガリアが大会期間中の選手負傷で急きょ欠場。借りを返す場を失ったRGFだったが、隙はなかった。
技と技が切れ目なく続き、互いに投げ上げた手具も相手の元へきれいに収まっていた。投げた方向が「ずれた」と感じる場面もあったが、受け手がほんの少し移動し、当たり前のようにキャッチするカバー力も秀逸。悠々の5連覇だった。
ロシア勢は個人総合でも五輪2位のジーナ・アベリナが驚異的な強さを見せている。種目別はフープ、ボール、クラブで優勝し3冠。30日の個人総合決勝で4連覇を果たせば、3大会連続4冠の偉業となる。日本期待の喜田純鈴、大岩千未来と共に、会場から熱い視線が注がれるだろう。
新型コロナウイルスに関する行動制限緩和の実証実験の対象とされている大会。前日まで連日1800人超の観客が訪れた会場はこの日、さらに増えてほぼ満員に。技を決めるごとに鳴る拍手に励まされた選手たちが演技後、笑顔で手を振り返す姿が印象的だ。
(運動部・松原広信)
「五輪の経験大きい」 喜田きょう個人総合決勝
30日の個人総合決勝に挑む喜田純鈴は29日、非公開で約1時間半の事前練習を行った。電話取材に応じた劉宇コーチは「詰めた練習ではなく、一通りの確認。(純鈴は)リラックスしている」と話した。
喜田は予選4種目全てで落ち着いた演技を披露して8位突破し、ボールは種目別で5位入賞を果たした。劉コーチは「東京オリンピックという大舞台を経験したことが大きい。構成通りの演技ができなかった部分からしっかりと学んで生かせている」とメンタルの成長を認めた上で、「特にボールの後は大満足の笑顔だった」と振り返った。
個人総合決勝で、喜田はボール、クラブ、リボン、フープの順に演技する。最終種目に手具が大きなフープが来ることから、「最後に体幹の強さが必要になる。集中力に加え、体力やペースも大事」と劉コーチ。振り付けは東京五輪から変えていないといい、「今までやってきたことを出せるかどうか」と強調、決勝の演技に期待を寄せた。
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