世代と階級を超えたドリームマッチが実現する。総合格闘技RIZINは25日、都内で会見を開き、31日開催の33大会(さいたまスーパーアリーナ)でRISE世界フェザー級王者の那須川天心(23)が、元PRIDEライト級王者の五味隆典(43)とパンチのみの立ち技特別ルールで対戦すると発表した。

那須川は来年のボクシング転向を表明しており、今大会がRIZINラストマッチ。格闘技界のレジェンドとの対戦で卒業に花を添える。

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デビュー45連勝中の那須川のRIZIN最後の対戦相手は、世界最高峰の格闘技団体UFC(米国)でも活躍した五味に決まった。20歳年上のレジェンドは、リング上のパフォーマンスなども参考にする憧れの存在。那須川は会見で「RIZINでPRIDEを体験できるとは思っていなかったので興奮している。すべてをぶつけたい」と胸を高鳴らせた。

相手決定はわずか2週間前。RIZIN側はキック界のホープで4連続KO勝利中の吉成名高戦を1年かけて調整してきたが、今月10日過ぎに吉成側から「受けられない」と返答があった。「少し寂しい気持ちがあった」と那須川。1度は大みそかは会場でのあいさつだけで終わることも頭をよぎったが、五味がオファーを受け入れたことで「最高の引退ができる」と再び闘志が高まった。

スペシャルエキシビションマッチとして、3分2回のパンチのみの立ち技特別ルールで行われる。体重差約20キロのハンディを背負うが「怖くないと言ったらうそになるが、楽しみの方が大きい」と笑顔。一方、五味は「正直ここになんでいるのかわかっていない」と苦笑いしながらも「勝敗を超越した、みんなが見て良かったと思える好ファイトをしたい」と誓った。

那須川は前日24日に来年6月にK-1スーパーフェザー級王者の武尊と対戦することを正式に発表。ファン待望のカードが実現した。残る格闘技の試合はRIZIN33大会、来年4月に行われるRISE代々木大会を含めて3試合。試合の方向性は違えど、すべてを全力で全うする。【勝部晃多】