Pages

Monday, December 20, 2021

「胸が大きい=グラビア」に違和感、コンプラ時代のリアル…現代の“偏見”を乗り越え輝く女性たち - 中日新聞

hitagajah.blogspot.com
『胸は大きく、体は細く! グラマラスレンダー習慣』が発売中のさくまみお

『胸は大きく、体は細く! グラマラスレンダー習慣』が発売中のさくまみお

 昨今ではジェンダーへの関心が高まり、その分、“女性性”をアピールすることへの受け取られ方も徐々に変化してきている。一方で、女性だからといって型にはまった見られ方、売り出し方に異を唱える向きもある。そんな中、タレントや人前に立つ職業でも、アップデートされた考えを持ち、なおかつ活躍する女性たちもいる。今年、ORICON NEWSでもとくに反響の大きかった、自分らしさを武器に輝き、強くしなやかに生きる女性たちの考えを改めて紹介する。

■胸にコンプレックス抱えながらYouTubeで成功、「自分らしさを生かしたい」

 テレビ、グラビアからYouTubeへと活動のメイン拠点を移し、2つのチャンネルを成功させているさくまみお。中でもバストアップにまつわる『美ボディ研究部』は、登録者数30.3万人(2021年12月時点)。十分成功しているように見える彼女だが、もともと“女性らしい体”へのコンプレックスを抱き、タレント時代は「胸が大きいタレント=グラビア」という風潮に違和感を覚えていたこともあったという。そこから、いかにして自分らしさを生かす方法を見つけたのだろうか?

 ミニモニ。に憧れていた彼女は、思春期には女性らしくなっていく身体がイヤで、胸をガムテープでぐるぐる巻きにして目立たなくするほどだったという。だが高校生のときの初恋をきっかけに、ボディケアに目覚めた。その様子を綴ったブログで人気に火が付き、芸能界へ。だが、その中でも矛盾を感じていた。

 「当時は、胸が大きいタレント=グラビアみたいな風潮があって。それに違和感を覚えつつも、私も一時期グラビアのお仕事をさせていただきました。ただやっぱり、“女性らしい体への嫌悪感”が残っていたのか、男性向けに色気をアピールするようなことに抵抗感があって。結果、まったく売れなかったんですよね(苦笑)」

 そんな彼女を方向転換させたのは、当時所属していた事務所の社長の「男性に自分の体を見てほしいと思って仕事していないでしょ? それはグラビアというジャンルに対して失礼だ」との言葉。これを契機に、彼女は本当にやりたいことを追求すべく、YouTubeチャンネルを開設することに。

 「そうしたら、予想外に女性から『どうしたらそんな胸になれるんですか?』といったバストに関する悩み相談がたくさん届くようになって。それに応えていくうちに、『私がやりたいことはこれだったんだ!』と気づいたんです。コンプレックスを味方にして、女性の役に立てるという、自分らしさを生かす方向へ背中を押してくれた当時の社長には、とても感謝しています」

 現在では好調なYouTubeだが、今も偏見はあるという。

 「バストアップ関連の動画は、バストが強調されたサムネイルも多いので、『男性視聴者ばかりなんだろう』と言われることもあるんです。でもアクセス解析したところ、7割が女性で、以前それを証明したアクセス解析公開動画も出したことがあります(笑)。バストを隠したほうがいいのかも迷いましたが、女性のバストの悩みに応えるのが目的なのに、隠していたら説得力がないなと。なので、特に隠すことはしていないですが、女性のみなさんには安心して観ていただきたいなと思っています」

 そんなさくまみおの思いは、YouTubeを越えて、書籍『胸は大きく、体は細く! グラマラスレンダー習慣』(KADOKAWA刊)として世の女性たちの手元に届いている。

 「過去のコンプレックスの話から、美バストケアはもちろん、YouTubeチャンネルでもまだ紹介しきれてないパーツのお手入れなど、私の持っているすべてのノウハウを詰め込んでいます。バストや気になるパーツの悩みに、少しでも応えられたらと思っています」

 同じく、胸が大きいことで悩んだ過去を持つのが、クイズ番組『トリニクって何の肉!?』(テレビ朝日系)などでも活躍する“Hカップ才女”わちみなみ。彼女もまた、学生時代は女性らしい体つきを厭い、デビュー前にビキニを着たのはわずか1回だったとか。そして、グラビアアイドルという仕事と持ち前の頭脳、その落としどころに悩んだこともあったという。

 「何事もまず、頭で考えてしまう性格がけっこう悩みだったんです。カメラマンさんから『頭が固い。考える前に動いて』と言われたこともありました。でも、どうしても“正解"を求めてしまうところがあって──。こんなことなら受験を頑張って大学に行くより、もっと早く芸能界に入っていればよかったと思ったこともありました」

 だが、もともと好きなグラビアでもあり、多方面にわたる仕事が、彼女自身を変化させた。

 「写真の切り抜きが好きだったくらいなので、グラビアの仕事はもっと頑張りたいです。バラエティー番組に関しては、“Hカップとのギャップ”みたいなところに周りが導いてくださってありがたく思っています。正解を探しがちな性格が悩みだったんですが、クイズ番組ではそれが生きているわけですし、やっぱり大学に行ってよかったです」

 ただ、彼女の変化は、よくある「仕事を通してコンプレックスが武器になった」という考えとは少し違う。

 「むしろ、『胸が大きいのがイヤ』という自意識から解放されたというほうが大きいです。グラビアは大勢の人たちの力で作り上げるもの。グラビアアイドルもその総力戦の1人なんだから、自分が気に入っている写真かどうかじゃなくて、『いい写真かどうか』が選ばれるのは当たり前。そのことを理解できるようになってからは、『胸が大きいのがイヤ』という自意識もなくなって、いかにいい写真にするかだけを考えるようになりました」

 こうして、一皮むけたわちみなみ。写真集『WM』(光文社刊)ではその雄姿が存分に見ることができる。

 もう一人、コンプライアンス重視の世の中に逆行するように、20代最後に写真集『This is the beginning』(光文社刊)でヘアヌードに挑んだのが、染谷有香。175cmの長身とGカップという圧倒的なスタイルで、“リアル峰不二子”、“霊長類最強グラドル”との異名を持つ。彼女はなぜ、過激な表現に挑んだのか。

 「たしかに、時代の逆を行っていますよね。ただ個人的には、その一方でNetflixなどでは攻めた映像表現に挑んでいる作品が人気だったりと、リアルを求める人が増えているのかなと感じます。そんなふうにいろんな意見がある時代だからこそ、どんな声にも負けない自分というものが必要なのかな。私自身、「大丈夫かしら?」とクヨクヨ考えちゃうことはありますが、この写真集が“お守り”のような1冊になったかなと思っています」

 一時は、“グラビア界の至宝”とまで言われながら、活動を休止したこともあった。そこには、「この仕事をいつまで続けられるのか?」という不安があった。世の中では歌って踊るアイドルがグラビア界を席巻してもいた。

 「私がデビューした頃は、すでに歌って踊るアイドルさんたちがグラビアを席巻していました。だから、それはあまり関係ないんですけれど──。だけど、そこからまた時代が変わって、今は再びグラビアアイドルが存在感を発揮している気がしますね」

 グラビアアイドルの復興には、自身でも感じるところがある。

 「個人的な考えなんですけど、SNSの活用が上手な方が増えたからだと思います。それこそ、森咲智美さんが始めた『#これがこう』(日常とセクシーのギャップある写真を並べた投稿)もそうですけど、写真と短いセンテンスの組み合わせがSNSの大喜利カルチャーとハマって拡散されていくような現象はたびたび起きていて。グラビアファン以外の方にも、知っていただくチャンスが広がっているのかなと思います。それと、グラビアアイドルはネットのコンプライアンスを守りつつ、ギリギリを攻められるんですよね(笑)。行き過ぎた過激なものはBANされちゃうだけですし、媒体ごとに『どこまでOKか?』を考えた見せ方もわかっている。SNSの時代において、そういうグラビアアイドルは強いんじゃないかと思いますね」

関連キーワード

おすすめ情報

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 「胸が大きい=グラビア」に違和感、コンプラ時代のリアル…現代の“偏見”を乗り越え輝く女性たち - 中日新聞 )
https://ift.tt/30NWbaM

No comments:

Post a Comment