ロシアのウクライナ侵攻で、世界の株式市場がリスクオフ状態になり、株価が下落しています。さらに原油価格の高騰にも拍車をかけることになるでしょう。このような世界情勢下で、フィリピン株式市場ではどのようなセクターが影響を受けるでしょうか。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が解説します。
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影響大のセクター①航空、海運、陸運、ロジスティクス
具体的な企業は、セブ航空(CEB)、2GO、チェルシーロジスティクス(C)、LBCエクスプレス(LBC)などです。
この業界では、燃料費が営業経費の大半を占めていますが、需要に影響を与えない範囲での限定的な運賃引き上げしかできないと見られています。例えば、ジェット燃料の価格が2017年の1バレルあたり63ドルから2018年に84ドルに上がった際には、CEBは売上高が増加したにもかかわらず、純利益が24%減少しました。
パンデミック規制が緩和され、リベンジ需要がCEBや2GOを支えているとはいえ、原油価格高騰が利益を圧迫しそうです。
CやLBCのような陸運物流会社は、コスト転嫁力がさらに低いと見られています。全体として、高原油価格は、この業界にとってマイナス材料となりそうです。
影響大のセクター②交通輸送関連
具体的な企業は、メトロパシフィック(MPI)、サンミゲル(SMC)です。ガソリン価格の上昇は、車での移動の意欲に影響するため、MPIとSGSの有料道路事業にはマイナスの影響を与えるでしょう。
MPIはNLEX、SCTEX、CAVITEX、CALAX、CCLEXという有料道路を、SMCはSkyway、NAIAX、SLEX、STAR Tollを運営しています。有料道路事業は、MPIの純利益の約20%、SMCの純利益の約5%です。
影響大のセクター③石油製品製造
プラスチックは石油を原料としているため、プラスチック製品の生産コスト高となります。プラスチック製造に携わる上場企業としては、DNL社があり、特殊プラスチック部門が売上の11%、純利益の25%を占めています。
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