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Friday, May 5, 2023

【報ステ】「偽旗にしては代償が大きい」“自作自演”可能性は ... - テレビ朝日

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ロシアの権力の中枢・クレムリンを攻撃したとされる無人機。誰が何ために行ったのでしょうか。

◆防衛省防衛研究所の兵頭慎治さんに聞きます。

ロシアの発表では、2機のドローンによる攻撃があったということです。「レーダーによる制御システムで、ロシア軍と特殊部隊が行動を起こした結果、ドローンを撃墜した」としています。

(Q.ロシアは「ドローンを無力化した」と主張していますが、建物近くまで来ていて、危険な状況だったと思いますが、どうでしょうか)
非常に驚きました。プーチン大統領の執務室が入っている大統領府の建物に近接していましたので、場合によっては接触していた可能性があったと思います。本来であれば、防空システムが作動して、クレムリンへの接近飛行というのはあり得ません。それにクレムリンに隣接する赤の広場は、5月9日の対独戦勝記念日に向けて、厳戒態勢が敷かれていて、イベントの準備が行われていました。今回、防空、警備態勢に穴があったということをさらけ出す結果になったと思います。大きな失態になったのではないかと思います。

誰が何の目的でやったのか。3つの可能性を見ていきます。
まず一つ目は、ウクライナ側の攻撃説。ロシア大統領府は「プーチン大統領を狙ったテロ行為」としていますが、ウクライナ側は否定しています。もう一つがロシア側の“自作自演”説。ゼレンスキー大統領は「プーチン大統領は、国民を前進させるため、何らかの動機付けが必要なのでは」としています。そして、三つ目が、ロシア国内の抵抗勢力。ロシアの過激派組織とつながりがあるロシア下院のポノマリョフ元議員は「ロシア国内で抵抗運動を行うパルチザンが実行した」としています。

(Q..ウクライナが攻撃した可能性はありますか)
技術的には、そういうドローンを持っています。また、アメリカの機密文書が正しければ、ウクライナ情報局長がモスクワを攻撃することを検討して、アメリカが止めに入ったという話がありましたので、意図と能力はあったと思います。ただ、動機に関しては、ウクライナ側が、これから大規模な反転攻勢をやろうとしている最中に、プーチン大統領をあえて刺激する。場合によっては、報復攻撃で、キーウ中枢部が攻撃される。最悪、核使用の示唆が高まるようなことを、このタイミングでやったのかというと、やや疑問に思います。

(Q.ロシアの自作自演の可能性はどう見ますか)
映像を見ても不自然な点があります。ロシア自身、これまでも自作自演、偽旗を行ってきたという経緯がありますので、その可能性はあり得ると思います。もし、やったとした場合の狙いですが、国内で危機感を高めながら、事実上の戦時体制に突入していくという一つのきっかけにするのではないかという見方もあります。ただ、来年3月の大統領選挙は、今のところ予定通り実施するということですし、今回、プーチン大統領は9日の準備を行っている最中で、政治的な威信を傷つけられたので、ある意味、代償を払ったことになると思います。自作自演の狙いに関しては、不可解な点があるのではないかと思います。

(Q.ロシア国内の抵抗勢力の可能性はありますか)
これまでも、こういう勢力がロシア国内で破壊活動を行ってきたという経緯がありますので、その可能性はあり得ると思います。ただ、いろいろな勢力がいます。ロシア国内で完結する存在なのか、ウクライナ側と何らかの関係があるのか、そのあたりはさまざまな可能性があります。場合によっては、クレムリン中枢部も含めて、ロシア国内に協力者がいたら、クレムリン中枢部への接近飛行はあり得たと思います。

(Q.アメリカ政府は「確認のしようがない」としていて、少し距離を置いているように見えますが、どうでしょうか)
ウクライナが関与しているということに関しての主張は鵜呑みにしていないと言っています。自作自演についても、アメリカ側は具体的な状況証拠をつかめていないように見えます。今のところ、まだ決め手がないような状況だと推察します。

(Q.誰がやったかわからないまま、あいまいなまま続いていく可能性がありますか)
国内の抵抗勢力が犯行声明を出したら、事態は変わってきますが、今のところ、ウクライナ側、ロシア側の主張は平行線のまま推移し、真相が明らかにならないまま、事態が推移していく可能性があると思います。

(Q.ウクライナが、今月にも大規模な反転攻勢に出るという情報がありますが、どのような影響を与えますか)
反転攻勢の作戦の中身には、大きな影響を与えるものではないと思います。ただ、ロシア側は何らかの報復措置を取ることを示唆していますので、何らかの反応をせざるを得ないと思います。しかし、当面は9日の対独戦勝記念日を無事に行う必要がありますので、それを実現したうえで、プーチン大統領がこのあと軍事的・政治的にウクライナに対し、どのような反応を示していくのか、このあたりが注目されるのではないかと思います。

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