26日、参院特別委の閉会中審査で答弁する河野デジタル相。左は松本総務相、右は加藤厚労相
別人の個人情報がひも付けられるなど相次ぐマイナンバーカードのトラブルを巡り、参院は26日、地方創生・デジタル特別委員会で閉会中審査を開いた。来年秋に紙の健康保険証を廃止する方針に対して与野党から批判が相次ぐ中、河野太郎デジタル相や加藤勝信厚生労働相は、保険証の来秋廃止とマイナカードへの一本化を堅持する考えを強調した。（デジタル編集部）
河野氏は「（一本化の）メリットは非常に大きく、わが国の医療DX（デジタルトランスフォーメーション）は待ったなしだ。他方、（紙の）保険証がなくなってしまった後、保険医療を受けられるか心配している方がいるのも事実なので、統一した後も安心して保険医療を受けていただくことができることを厚労省と一緒に仕組みをつくりながら広報もきちんとやって懸念を払拭できるようにしていきたい」と述べた。
河野氏は、発行済みの保険証は来秋から最大1年間、経過措置が設けられていることから「こうした期間も使いながら丁寧に説明し、不安の払拭に努めていきたい。保険証が廃止された後もマイナカード、資格確認書を使ってもらい、国民皆保険なので、どなたも保険診療を受けていただくことを維持していくことに変わりはない」と理解を求めた。自民党の山田太郎氏に対する答弁。
加藤氏はマイナ保険証の利用件数が低迷し、国民から廃止撤回を求める声が挙がっている背景について「誤ったひも付けや（オンライン資格確認など）現場でのさまざまなトラブル、メリットの周知不足がある」と説明。
その上で「医療DXを進め、より多くの情報に基づき、より的確な医療が行われていくことが私たちの目指す方向だ。そのためにひも付けの誤りについてチェックし、現場でのトラブルにそれぞれ対応するなど、メリットの周知を図る努力を一つ一つ重ねていきたい」と述べた。立憲民主党の杉尾秀哉氏に対する答弁。
「マイナ保険証」に一本化する政府方針に対して野党は批判を強め、廃止時期の延期などを主張。自民党内にも萩生田光一政調会長や世耕弘成参院幹事長らから廃止期限にこだわるべきではないとの声が相次いでいる。
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