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Sunday, March 26, 2023

携帯電話販売 過剰な値引きは弊害が大きい - 読売新聞オンライン

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 スマートフォン市場で過度な値引き販売が再び広がり、その原資に通信料金が充てられているという。通信料に跳ね返る恐れがあり、携帯電話大手は是正を急ぐべきだ。

 公正取引委員会は、スマホ端末を「1円」などの極端な安値で販売する行為についての実態調査結果を公表した。NTTドコモとKDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4社と、販売代理店約300店などを対象に行った。

 昨年1~6月に1000円以下で販売された台数は全体の約15%を占めた。販売店が安値販売を行う理由は、携帯大手からの指示だとの回答が目立った。多くの機種は赤字で、その分を3社が通信料収入から 補填 ほてん していたという。

 新品が中古品より安いケースもあり、中古スマホ事業者のほか、適正価格で販売する他の事業者などに悪影響を与える。公取委が、独占禁止法が禁じている「不当廉売」につながる恐れがあるとして、是正を求めたのは妥当である。

 過度な安値販売は、以前から問題視されてきた。端末代を実質的に無料にして顧客を囲い込み、値引き分を割高な通信料で回収する仕組みが常態化し、通信料の高止まりを招いていたためだ。

 政府が2019年、通信契約と端末をセットで販売する場合の値引き額の上限を2万円とする法律を施行すると、過度な安値販売はいったん沈静化した。

 ところが、新制度では、端末単体の販売に値引きの規制がない。そのため、まず単体価格を大幅に割引した上で、その後に通信契約とのセット販売にして2万円を割り引き、1円で売るという販売手法が広がったという。

 「抜け穴」を突く行為によって、規制が有名無実化していると言える。単体価格に対する割引の制限などを検討する必要がある。

 国際的に割高だった日本の通信料は、政府の要請を受けて携帯大手が格安プランを設けるなどし、一定程度下がった。しかし、端末の過剰な値引き合戦がエスカレートすれば、料金の下げ止まりや引き上げにつながりかねない。

 端末の大幅値引きは、頻繁に端末を買い替える人に恩恵が偏り、同じ端末を使い続ける利用者には不利で、公平性を欠く。安く買い占めて高値で売る「転売ヤー」の横行も招き、弊害が大きい。

 過度な値引きの背景には、携帯大手が販売店に課すノルマや、新規の顧客獲得に支払う奨励金などの取引慣行があるという。各社は見直しを進めねばならない。

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