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Monday, January 22, 2024

「剝奪感」が大きいロスジェネ世代 「戻るべき現実」がある社会こそ:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

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識者に聞く京アニ事件① 甲南大学教授・阿部真大さん

 36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などで起訴された青葉真司被告(45)に対する判決が25日、京都地裁で言い渡されます。こうした事件を再び起こさないために、社会に何ができるのか。識者とともに考えます。

 初回は、甲南大学教授の阿部真大さん。青葉被告と同じ世代の社会学者として、この世代が持つ課題と、どう乗り越えるのかについて語っていただきました。

    ◇

家庭からも、地域コミュニティーからも排除

 考えなければならないのは、青葉被告には現実の世界に「居場所」がなかったのではないか、ということです。

 青葉被告は幼少期に親の離婚や父親からの虐待があり、不幸な家族環境だったと思います。

 育ったのは、埼玉県郊外。そして、核家族です。近所の商店街で、親しいおじちゃんやおばちゃんがいるといった濃密な地域コミュニティーは乏しかったように思います。裁判の中でも、そのような記憶は語られませんでした。地域コミュニティーの希薄な中での家庭内不和は、本人に与えるダメージがとても大きいです。

 1970~80年代、「暴走族のライフコース」とでも言うべきものがありました。家庭内で不和があり、グレて、学校に通わなくても、暴走族に入って、そこで仲間を作ることができる。暴走行為をしながらも、最終的には地元の雇用システムに組み込まれていく、というものです。逸脱少年はこうして社会化されていったのです。

 家庭内不和があっても、「あそこの家の父ちゃん、いい加減だから」などと地域の人たちは事情を何となく知っている。結果、「悪い仲間」とつるんでも、最後は地域社会が受け入れる形で、地元で仕事をして生活を続けられます。

 青葉被告の場合、家族から排…

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