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Sunday, October 2, 2022

ゆり先生の化石研究室:/21 ライオンより大きい肉食獣 骨かみ砕くディノクロクータ - 毎日新聞

hitagajah.blogspot.com

 中国ちゅうごく臨夏りんか盆地ぼんちからは哺乳類ほにゅうるい化石かせきがたくさんつかります。これまでにヒッパリオンやキロテリウム、そしてキロテリウム以外いがいのサイの仲間なかまについて紹介しょうかいしてきました。ほかにはキリンのサモテリウムやパレオトラグスが生息せいそくしていました。どちらもげんせいのキリンよりも小型こがたで、キリンのようにうえほねつのしゅです。

 さらにはテトラロフォドンというゾウの仲間なかまがいました。プラティベロドンのようにシャベルがたではありませんが、したあごが前方ぜんぽうびていて、げんせいのゾウとは姿すがたことなります。

サバンナのような環境かんきょう

 それにライオンよりもおおきなハイエナともいえるディノクロクータという肉食にくしょくせい哺乳類ほにゅうるいつかっています。こうしてみると、現在げんざいのアフリカのサバンナでられる動物どうぶつたちにそっくりです。中国ちゅうごくにはアフリカのサバンナのような環境かんきょう存在そんざいしていたのです。これらの化石かせきねんだい中新世ちゅうしんせい後期こうきやく900まんねんまえ)と推定すいていされていて、これは地球ちきゅう全体ぜんたい乾燥かんそうする時期じき相当そうとうします。

 ディノクロクータとブチハイエナはべつのグループ同士どうしですが、獲物えものほねをかみくだくことができるというてん共通きょうつうしています。ほねにどのような工夫くふうがみられるかというと、まずおおきくてするどっています。イヌとくらべるとそのちがいがはっきりわかり、みじかいあごはふとくてとても頑丈がんじょうなのです。今度こんどはディノクロクータとブチハイエナのちがいを観察かんさつしましょう。ディノクロクータはライオンよりもおおきいので、まずおおきさのちがいにおどろくでしょう。そしてディノクロクータの鼻先はなさきはブチハイエナよりもみじかいという特徴とくちょうがあります。

 かりに2しゅおなおおきさだったと仮定かていしてあごの頑丈がんじょうさを調しらべた研究けんきゅうがあります。それによると意外いがいにもディノクロクータのあごのほうよわかったようです。ディノクロクータは、したあごの奥歯おくばよりもうしろのほねちからがかかりやすいという研究けんきゅう結果けっかたのです。ディノクロクータは頭骨とうこつ以外いがいほねがあまりつかっていないので、わからないことがおおしゅでもあります。<イラスト・スズキソノコ>


木村きむら由莉ゆり

 国立科学博物館こくりつかがくはくぶつかん研究員けんきゅういん専門せんもん化石哺乳類かせきほにゅうるい。アメリカ・サザンメソジスト大学だいがく博士号はくしごう。2015ねんから現職げんしょく。「化石かせき復元ふくげんうけたまわります。」(ブックマンしゃ)、「きょうりゅうのたまごをさがせ 改訂版かいていばん」(理論社りろんしゃ)などを監修かんしゅう

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